今年2回目のアメリカ合衆国開催となったモトGP第12戦インディアナポリスGPで、青山博一(チーム・サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ)は9位でフィニッシュした。スタート直後1周目の1コーナーから2コーナーで、直前の選手が転倒しかけた挙動を回避したために最後尾まで下がってしまったものの、そこから着実に追い上げて順位を回復していった。

「レース中盤まで、なかなか集団の前に出ることができなかった。脱け出したあとは自分のリズムで走れるようになり、土曜の予選よりもいいラップタイムを刻むことができた。途中からペースよく走れただけに、悔しさが残りますね」と、残念そうな表情のなかにも充実感も漂わせて全28周のレースを振り返った。

戦いの舞台、インディアナポリス・モータースピードウェイは、今回のレースに向けて全長4216メートルのうち約2400メートルに新たな舗装が施され、この新路面への対応がレースを左右する重要な鍵になった。金曜午前の初走行では滑りやすさに全員が苦労したが、その後、セッションを重ねるごとに路面状態は改善していった。土曜にはリアタイヤのグリップ力が向上してフロントタイヤへの負荷を増大させることになり、刻々と変化するコンディションに各チームは総力を挙げての対応を迫られた。

「今回はタイヤに厳しいレースでした」と、青山も難しい路面状況だったことを認める。「とはいえ、周囲の選手はフロントタイヤに課題を抱えてレース後半にタイムを落としたけれども、自分の仕上がりはまずまずで、タイヤマネージメントはうまくできた。レース走行後は、おそらく僕のタイヤが最もきれいな使用状態だったと思います。それだけに、序盤で集団に抜かれてしまったのが残念です」

HRCチーム代表の中本修平も、今回の青山のレース内容は悪くなかった、と話す。

「前が詰まっていなければ、もっといいタイムを出せていただろう。1周目に最後尾へ下がってしまわなければ、おそらく6位か7位に入れていたのではないか」

シーズンも終盤戦に近づき、来年の生き残りを賭けた選手たちのシート獲得競争も激しさを増している。青山も、その争いが厳しいことは充分に自覚している。「シーズン後半の戦いはトップ5が目標」と語った第11戦のチェコGPでは、今回と同じく9位で終えたものの、確実にステップアップしてゆけそうな手応えを掴んだレース内容だった。今回は、序盤のつまづきがなければ、さらに上位を見込めたレース。2週連続開催となる今週末の第13戦のサンマリノGPでは、是非ともこの2戦の鬱憤を晴らす走りを披露し、来るべき日本GPと来シーズンに向けて存在感を強烈にアピールしてほしいところだ。(モータージャーナリスト・西村章)