WBCスーパーバンタム級チャンピオン、西岡利晃(帝拳)が10月1日(日本時間2日)、米ラスベガスで7度目の防衛戦に臨む。しかし、今回の防衛戦はこれまでと意味が違う。ボクシングの本場といわれるラスベガス。そこで日本人の世界王者が防衛戦を行うのは初めてなのだ。「ワクワクする」という西岡。果たして、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。

西岡は確実にたくましさを増している。2008年9月、世界王座に就いて以来、防衛のテープを伸ばしてきた。特に自信をつけたのが09年5月、敵地メキシコで闘ったジョニー・ゴンサレス(メキシコ)戦だろう。3回、左ストレート一発でTKO勝ちを収め、存在感を大きくアピールした。「モンスターレフト」と呼ばれる強打に磨きがかかり、安定感は抜群だ。7月25日に35歳の誕生日を迎えたが、心身ともに充実している。「ラスベガスで名前のある相手と防衛戦ができる。それもメーンで。試合を組んでもらつた人たちに感謝します」。ゴングが待ち遠しいようだ。

名前のある相手とはラファエル・マルケス(メキシコ)。元世界2階級王者で、現在は2位にランクされている。36歳のベテランは、40勝(36KO)6敗の高いKO率を誇る。好戦的なパンチャーとして知られ、兄も3階級を制覇した名王者。恵まれた環境で育ち、長らく世界の第一線で活躍してきた。容易な相手ではない。

西岡は過去2度ラスベガスのリングに上がり、ともにKO勝ちしている。敵地というハンディなど関係なく、堂々とした試合ぶりが印象的だ。夢の一戦に向け、「マルケスのパンチは強い。タフだし、最高の相手です。強敵だが、絶対に勝ちます」と胸を張った。また、負けられない理由もある。マルケスに勝てば、バンタム級のスーパースター、ノニト・ドネア(フィリピン)との対決も計画されているという。

試合はKOのスリルに満ちた打撃戦が予想される。西岡が自分のペースを守り、相手のプレッシャーをはねのけ、得意のパンチを打ち込みたい。マルケスの一打を警戒しながら左が炸裂するか。ドネア戦は正真正銘の「世紀の対決」である。想像するだけで胸が躍ってくる。本場ラスベガスでまず、目前の大きなハードルを超えてほしい。(津江章二)