野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表は2連覇中だが、女子も負けてはいない。来年8月にカナダのエドモントンで予定されている野球の第5回女子ワールドカップ(W杯)で史上初の3連覇を目指している。6月20日に第1次の代表候補選手28人を発表し、悲願達成に向けてスタートを切った。

女子代表を率いるのは西武、日本ハムで活躍した元プロ野球投手の新谷博氏。過去2大会は投手コーチとして2連覇を支え、今春から監督に就任した。これまで4大会は開催年の春に代表候補選手を決めていたが、今回は大会の1年以上前にもかかわらず、監督の意向で選考を始めた。来年の本番まで数段階に分けて代表メンバーを選考していくことで、選手の間に競争意識を芽生えさせる狙いがある。

新谷監督は「これまでは国際大会に出ていってもチームに厳しさがなかった。日の丸を背負う厳しさを、もっと選手に分かってもらいたいから」と話す。前回の代表メンバーで、今回も代表候補入りできるような実力者をあえて外し、意図的にフレッシュな選手を数多く入れた。「全国の選手に代表入りのチャンスはある。女子野球界が盛り上がる選考をしようと思う」と意気込む。

代表候補選手たちは監督の方針に早くも気持ちを引き締める。前回大会の優勝投手で、関東女子リーグで2季連続最優秀選手(MVP)の磯崎由加里投手(尚美学園大)は「日本ハムのダルビッシュさんのように、いろんな変化球を投げられるようにしたい」。前回大会で6割超の打率をマークしてMVPに輝いた六角彩子内野手(サムライ)も「来年の夏に向けて調子を上げられるように、これから調整していきたい」と話し、それぞれがステップアップの必要性を感じている。

昨年発表された国際野球連盟(IBAF)ランキングで、日本は男子の4位に対し女子は堂々の1位。しかし、新谷監督は近年の各国・地域の打撃力アップを痛感しており、3連覇の道のりは決して平たんではないと見ている。第1次代表候補チームは8月11日と12日に台湾代表との親善試合(愛媛・松山)から本格始動する。

倉見 徹(くらみ・とおる)1970年生まれ。石川県珠洲市出身。共同通信で96年からプロ野球を取材。近鉄、阪神、ダイエー、ロッテ、西武、巨人を担当。現在は球界全体をカバー