自動車レースの国内トップカテゴリーであるフォーミュラニッポンは、三重県鈴鹿サーキットで4月17日に決勝を行う開幕戦で16年目のシーズンが始まる。今季はF1で活躍した中嶋一貴の国内復帰や、弟大祐の参戦で「兄弟対決」が実現するなど話題満載だ。

昨季よりチームが増え、12チーム16台が7戦を戦う。これまでに参戦が決定した15人中6人が「ルーキー」と、顔触れが一新した。

中でも注目は中嶋兄弟だ。トヨタ系のチーム・トムスに加わった一貴は2008年、製造者部門を9度制した名門ウィリアムズからF1にフル参戦。開幕戦オーストラリア・グランプリの6位を含め5度入賞したが、09年シーズンは一度も入賞できず、正ドライバーの座を失い、昨季は浪人生活を送っていた。レースのできない悔しい1年を経験しただけに、05年以来となる国内復帰に意欲を燃やしており「ルーキーのつもりはない。とにかく結果を出す」と力強く言い切る。

大祐は英国F3選手権での武者修行を経て、ホンダ系のナカジマ・レーシングに加入した。監督は父の悟氏。日本人で初めてF1フル参戦を果たした名ドライバーだ。

兄弟対決について、一貴は「注目されるのはいいこと」としながらも「気にしなければならないドライバーは他にいる」と余裕の発言。一方の大祐は「兄に勝つだけではだめ。上位にいけなければ意味がない」と負けん気の強さを見せた。悟氏は「こんな時代が来てしまって、変な感じ」と照れくさそうに笑った後「いい戦いを見せてくれれば」と語った。

他の新人4人は、フォーミュラニッポンの下部カテゴリー、全日本F3選手権からのステップアップ。同選手権で上位にあたるCクラスを制した国本雄資が「やっと挑戦できる」と声を弾ませれば、下位のNクラス覇者、小林崇志は「速さには自信がある」。27歳とルーキー最年長の嵯峨宏紀は、所属チームとともにカテゴリーを上げてきた異色の経歴を持つ。

昨季王者のジョアンパウロ・デオリベイラ(ブラジル)らもルーキーたちに好きにさせる気はさらさらない。ここ数年、話題に欠けると言われてきたフォーミュラニッポンだが、今季は大いに盛り上がりそうだ。(榎並秀嗣)