今季、国内男子ツアーで活躍した選手たち10人のスイングをプロコーチの鶴見功樹氏が解説。第4回目は今季3勝を挙げ大ブレイクしたチャン・キム(米国)。賞金ランク5位に入った2年連続のドライビングディスタンス1位の飛ばし屋のスイングを解剖する。

【連続写真】驚異の400Y砲 チャン・キムの豪快スイング
世界の舞台でも通用する飛距離を持つキム。身長188センチの恵まれた身体に加え、飛ばしの要素がつまったスイングになっているという。「飛距離を出すために必要な要素はいくつかあります。まず“Xファクター”と呼ばれる腰と肩の捻転差。腰をなるべく回さず、肩を大きく回すことが重要です。キム選手はトップでは肩はしっかり回転していますが、腰はアドレスからほとんど回っていません。かなりの柔軟性と強靭な下半身がなけてばできないことです」(鶴見)。この念点差が第一の飛びの要因だ。

そして「2つ目は手首で“タメ”をつくれるか。トップから切り返してクラブを下ろしていくときに、クラブヘッドを手元よりも遅らせて振っていくこと。これは筋力がないとできません。ダウンスイングでは手元が時計でいうと9時の部分まで下りてきているのに、ヘッドはまだはるか後方にある。通常ここまで大きくタメようとすると、握力や手首の弱い選手は振り遅れてしまいます。そこからグッと叩きにいけるのは、キム選手のパワーの賜物ですよね」(鶴見)。

最後は「スイングアークの大きさ。できるだけグリップを胸から離してバックスイングを上げ、クラブヘッドの通り道を大きくして加速させる。キム選手はテークバックで手元と胸を離し、大きな弧を描くように上げています。これら3つがヘッドスピードを上げるコツなんです。キム選手はこれらが全部つくれていて、なおかつ190センチ近い体格がある。それは飛びますよね」(鶴見)。柔軟性と高い筋力、そして恵まれた体格が合さっての平均ドライビングディスタンス314.24ヤードなのだ。

後半戦は腰を痛め思うように振れなかったが、それでもその飛距離は規格外。おいそれとアマチュアがマネできるスイングではないが、飛ばしに何が必要かを目で確認するのはキムのスイングが一番だろう。

解説・鶴見功樹(つるみこうき)/1966年4月18日生まれ。東京都出身。99年に英国PGAメンバーに。02年に日本人初の英国PGAクォリファイプロフェッショナルを取得。04年より大山志保と師弟関係を結び、06年には賞金女王に育て上げる。今日までに指導した生徒数は10,000人を超え、現在も日本におけるただ一人の英国PGAプロフェッショナル。東京都港区三田でインドアゴルフスクール「鶴見功樹ゴルフアカデミー」を主宰している。

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