今季活躍した注目選手のスイングから強さの要因を探る“Playback LPGATour2017”。第32回は20歳の若さながら、米女子ツアー通算5勝の実力を誇るブルック・ヘンダーソン。“カナダの妖精”と謳われる可憐な容姿に似合わず、48インチの長尺ドライバーからロングドライブを量産する。そんな彼女のスイングを、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が解説する。

【連続写真】カナダの妖精はダイナミック!長尺ドライバーから繰り出す飛距離
米女子ツアーで今季2勝を挙げ、賞金ランキング6位となったブルックさんです。まだ20歳と若い彼女ですが、すでにメジャーでも勝っている実力者です。

手足が長いだけあってダイナミックなスイングですね。しかも短く握っているとはいえ、ツアーでは滅多に見かけない48インチのドライバーを使っているため、よけいに迫力を感じます。よほど飛距離にこだわりがあるのでしょう。スイングスピードが速く、ありとあらゆる場所のエネルギーを使っているように感じます。

ただ、体を大きく使うというよりは、小さく使ってスイングするタイプのようです。両ヒジや手元を自分の体からできるだけ離さずにスイングするイメージです。クラブヘッドで大きな円を描くことでスピードを出すタイプもいますが、彼女は小さく円を描くことによって、ヘッドスピードを上げるタイプです。手元の動きを小さくして、クラブを体に巻き付けるようなイメージですね。

飛球線後方からの写真を見ると分かりますが、ダウンスイングは今年の「マスターズ」を制したセルヒオ・ガルシア(スペイン)を思わせるぐらいに、手元が少しも前に出ていません。左腕が真下を向いています。普通の人だと、手元がもっと前に出てしまうだけに驚きです。これだけ低い位置に両手を下ろせるということは、上体の向きや、胸のラインが相当右を向いているからでしょう。胸が開いていたら、絶対にこの低い位置には両手は下ろせません。

トップとダウンスイングの切り返しでできるベストのしわが変わらないのを見ても、上体を閉じたままダウンスイングできるタイプであることが分かります。トップの位置から体の開きを一切使わず、肩甲骨が滑り落ちるように、同じ形のまま両手を30センチぐらい真下にスライドさせています。

フォローでは、クラブヘッドが目標方向へ行こうとする遠心力を抑え、逆に手元との距離を縮めることでヘッドを走らせています。コンパクトに腕を畳むスピードを上手く利用している感じですね。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、藤崎莉歩、小祝さくらなどを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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