今季国内女子ツアーで活躍した注目選手のスイングから強さの要因を探る“Playback LPGATour2017”。第21回では、ツアー初優勝が期待される選手の一人、堀琴音。2014年に18歳でプロテスト合格、翌年2015年にはレギュラーツアーにフル参戦し、賞金ランク33位に入ってシード権を獲得。2016年の「日本女子オープン」で2位に入ったほか、同年「全米女子オープン」で海外メジャー初出場を決めた。今季は6月の「ヨネックスレディス」から5試合連続でトップ5入りを果たした堀のスイングを、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏に解説してもらった。

【スイング連続写真】初優勝が待たれる堀琴音のスイング
シーズン中は5試合連続トップ5入りするなど活躍したものの、ツアー初優勝にあと一歩届かなかった堀琴音さんです。スイングを見ていくと、アドレスでは通常5対5の体重配分で構えるのですが、堀さんはその状態からリズムよくスーッと左足へ重心を寄せるフォワードプレスを行っています。そうすることでテークバックをスムーズに上げることが可能になり、手だけでクラブを上げようとせず、下半身を使ったバックスイングを行なえます。

トップでは体が伸び上っているものの、両手を高い位置まで上げています。そこからダウンスイングに入りますが、伸び上った体の重さにクラブの重さを加えることで、体を縮めながらエネルギーを貯めています。フットワークを縦に使うことで、体全体がボールに向かっていくように体とクラブを落としているのです。スピードというよりは重さでボールを飛ばすイメージです。

インパクト直前の形を見ると、左足の上に体重が乗り切らず、上体が少し反り気味になっています。そのため、上体が開きやすいようです。できれば、上体の開きを抑え、フォローでクラブフェースを閉じてほしいところですが、体の細い人に見られやすい動きだといえます。また、フォローで左ヒジが引けていますが、これが上体を開く原因にもなっています。

もともとドローヒッターの堀さんですが、現在はフェードボールを打っているので、フォローではあまり腕のローテーションを使いたくないと思われます。フェースを返そうとする動きは一切見られません。それが右腕の曲がりにも表れています。飛球線後方からの写真を見るとフォローでは、自然にローテーションを行い、フェースがもう少し下を向いているのが普通ですが、堀さんのフェースは上を向いています。右腰から左腰まで振り抜く間は、腕のローテーションをなるべく起こさないようにと決めているのでしょう。

ただ、フィニッシュで右腰をしっかりとフルリリースしているのはいいところです。右足が一歩前に出るぐらいまでしっかりと右サイドを使い切れるのは大事なことです。この動きさえできていれば、インパクトゾーンで左サイドが引けて見えても最後は左足に体重を移動できるからです。だからこそ、クラブヘッドがターゲットを指すまで体を回し切れているのでしょう。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、藤崎莉歩、小祝さくらなどを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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