今季国内女子ツアーで活躍した注目選手のスイングから強さの要因を探る“Playback LPGATour2017”。第11回は、今季7度のトップ10入りを果たした柏原明日架。今季の年間賞金総額は自身最高額を獲得し、賞金ランクは17位に。今季ツアー優勝者と賞金ランク上位者等に出場が限られるツアー最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」への出場権を獲得し、地元・宮崎で大舞台を踏んだ。ツアー初優勝を期待される選手の一人、柏原のスイングを、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏に解説してもらった。

【スイング連続写真】昨年から変わったヒザの動きに注目!
自己最高の賞金ランキング17位となった柏原明日架さんですが、昨年までと大きく違う点は、スイング全般に緩みがなくなり、スピード感が出てきたことです。以前はインパクト後、クラブがフィニッシュの位置にくるまでゆっくりとしたスピードでしたが、今は首のところにクラブがくるまでの時間が短くなりました。きちんとワンピーススイングで振れている証拠です。

アドレスでは、両肩と両腕で三角形をつくり、クラブヘッドが体の真ん中にくるように構えています。背筋もしっかりと伸ばし、安定感が出てきました。テークバックでは多少手でクラブを上げているように見えますが、トップではしっかりと左肩を入れ、深い捻転力を見せています。昨年まではダウンスイングで左ヒザが目標方向に流れ、右肩が下がり、軸が右へと傾いていました。そのため、ヘッドが下から入り、振り遅れが生じたため、それを手で調整しながらスイングしていたのです。今年はその動きが解消され、左足のラインが崩れず、ヘッドが上からシャローに下りてきています。

体の軸もしっかりしてきた感じを受けますが、まだバックスイングで左足に重心が乗り、ダウンスイングで右足に重心が乗るという、軽いギッタンバッコンの動きが見られます。よくなった部分と修正が必要な部分が同居しているスイングですね。ただ、柏原さんは体がしっかりとしているので、本来は270ヤードぐらい普通に飛ばせる選手です。そのためには、今以上にスイングスピードを上げることが必要ですが、素材的には十分可能です。少なくとも上体の硬さがとれ、もっと力を抜くことができれば、今以上にクラブを素早く振れるはずです。

基本的に下半身は強いので、ダウンスイングでは左足でしっかりとパワーを受け止め、インパクト後に右足で地面を蹴る動きができています。アベレージゴルファーが同じような動きをすると、バランスを崩しやすいので気をつけましょう。まだヘッドが下から入ることがシーズン中に何度か見られましたが、昨年よりはかなり改善されています。飛球線後方からの写真を見ても、スイングプレーンに沿ってクラブを振れるようになったと思います。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、藤崎莉歩、小祝さくらなどを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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