<ゴルフ日本シリーズJTカップ 最終日◇3日◇東京よみうりカントリークラブ(7,023ヤード・パー70)>

最終戦で劇的なぶっちぎり優勝。宮里優作が、2013年にツアー初優勝を飾った思い出の地で、念願の賞金王戴冠を決めた。年間を通じて活躍した者だけが得られる称号にはどんな重みがあるのだろうか。熾烈を極めた賞金王レース。今シーズンの軌跡を振り返る。

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シーズン序盤戦は、早々に2勝を挙げた宮里が賞金王レースをリードした。その後、「〜全英への道〜ミズノオープン」でツアー初勝利、「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」で2勝目を果たしたチャン・キム(米国)が9月まで賞金王レースをリードしたが、秋のビッグトーナメントの訪れとともに大躍進したのが小平智だった。

優勝こそならずも、シーズン前半からトップ10を重ねてきた小平智が、ついに「トップ杯東海クラシック」で今季初優勝。賞金王レースで首位に躍り出た。翌週は宮里の今季3勝目で再逆転を許したが、その後は3週連続で賞金ランク首位をキープ。そんな小平の口癖にもなったのが、「賞金王より、あくまでも年末の世界ランキングで50以内に入って、来年のマスターズに出る」だった。「賞金王は考えていません」。称号へのこだわりを表に出すことはなかった。

いよいよ終盤戦に入り、「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」で今季3勝目を挙げたチャン・キム(米国)が再び首位に出るも、翌週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」でキムが腰痛のため棄権。逆に小平が今季2勝目を挙げ、小平優勢の状況で最終盤の3戦を迎えた。ようやく小平の口から賞金王の言葉が出たのが、最終戦開幕前の火曜日だった。「ここまできたら考える」。結果的には宮里の大まくりで逆転を許したが、そんな小平が抱いていた賞金王への思いについて、自身5度の賞金王に輝いている片山晋呉が大会後、口を開いた。

「(小平)智が賞金王のことはどうでもいいと言っていたから、運気が下がってしまったのでは。ああいう発言をすると追いかけるほうは有利ですし、あれは言ってはいけなかった」。人それぞれ追い求める目標と達成までのプロセスは違うが、国内最強の称号にこだわりを見せていた片山には、小平の言葉がふに落ちなかった。「日本人なら一回は一番を取らないと。一番を取ってマスターズに行けばよかったのにね」。マスターズで日本人最高成績の4位(2009年)にも入った片山の言葉だけに重みを感じる。今大会の成績、そして再来週出場するアジアンツアー最終戦の結果次第で、小平はマスターズ行きを決めるかもしれない。それでも、一番になることへの執着が、片山のように選手のモチベーションを上げることもあるのだ。

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