<LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 最終日◇26日◇宮崎カントリークラブ(6,448ヤード・パー72)>

最終戦最終日までもつれた激闘を制し、2013年以来の森田理香子以来となる日本勢賞金女王に輝いた鈴木愛。若き新女王は、いかにして栄冠を勝ち取ったのか。激動の1年を振り返る。

今季1年の締めくくり!最終戦の様子を特選フォトで振り返る
「年間5勝」の目標を掲げてスタートした今シーズン。開幕戦から試練だった。キャンプ中にひいた風邪が治らない。それでも何とか18位と、過去2年予選落ちを喫していた大会でまずまずの順位に入った。ちなみに、3日目に一緒に回って「とても良いフェードを打つ選手。勉強になる」と話していたイ・ミニョン(韓国)と後に熾烈な女王争いを繰り広げることはまだ誰も知らない。

春の陣では、「サイバーエージェントレディス」でのプレーオフでキム・ハヌル(韓国)に敗れるなど、優勝争いに加わりながらも中々勝ち星に恵まれない戦いが続く。最初の栄冠に輝いたのは5月の福岡だった。ひざ痛を抱え、「棄権」の2文字が脳裏をよぎる中、初日悪天候によるサスペンデッドの影響で、2日目が1日30ホールとなる死闘を乗り越えてカップを掴んだ。この日は母の日。「いつもお世話になっている。感謝しかない」と帯同してくれてる最愛の母に捧げる勝利でもあった。この優勝で賞金ランクも2位に浮上する。

次の優勝は6月の「アース・モンダミンカップ」。「何とか(ハヌルの優勝を)ストップしたい」と気合いが入った大一番で魅せた。「朝から体の状態が良くない」という中、3日目で首位に浮上すると迫りくる三ヶ島かな相手に横綱相撲。最終ホールで11mのバーディパットを入れた三ヶ島に首位に並ばれたが、その直後に6mのバーディパットを沈めて勝負あり。「自作自演の優勝でした(笑)」と言いつつも今季2番目タイの高額賞金大会で栄冠をつかみ、ハヌルと約90万円差の賞金ランク2位で前半戦を折り返す。

だが、ここから勝てない。のちに「この時期が一番体力的にもきつかった」と振り返っている。「全米女子オープン」、「全英リコー女子オープン」に出場するため7、8月に行われる8試合中4試合を欠場。海外と日本を行き来するスケジュールで体力を消耗し、夏場は「ニトリレディス」の5位が最高位。これも全く優勝に絡んでいないものだった。

スケジュールが落ち着いて迎えた9月の「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」。今季最高賞金額、過去に2度制している好相性の戦いに気合いは十分。狙い通り、最終日の中盤に首位と1打差まで詰め寄った。だが、そこからスコアを伸ばせず7位で終戦。「この試合に合わせてやってきて、しっかり調整してきたつもりですが、ここまでパッティングが入らないと勝てない。当然という感じ」と肩を落とした。

「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」から「練習しなければ自分の実力を引き出せない」と怪我でセーブしていた練習量を戻したが、その後も「日本女子オープン」、「富士通レディース」はともに4位と勝ちきれず。次戦の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」では今季2度目の予選落ちを喫して「ちょっとゴルフはいいかな、という気分」というところまで落ちた。

風向きが変わったのは、11月の日米共催競技「TOTOジャパンクラシック」だった。「富士通レディスの時に、同じドローヒッターの菊地絵理香さんに“どうやって打っていますか?”と聞いて。“愛ちゃんは右を向き過ぎだと思う。それが原因で球が帰って(左に曲がって)来てない。向いているところには出ているからそんなに悪くないよ”などと言われて、参考にしました。そこから少しずつ良くなってきました」とショットが復調したことで気持ちも前向きに。

フォン・シャンシャンに敗れて2位に終わったがものの、「すごく成長できた。久しぶりにショットが良かったし、これなら戦えると。あとメンタル面ですね。いつもならすぐ諦めてしまうところでも、諦めない気持ちを持ってできました。モチベーションの大事さを感じた」と顔つきが一気によくなった。また今大会の結果により、ハヌルを抜いて賞金ランクの首位に浮上を果たす。

翌週の「伊藤園レディス」では賞金ランクトップ3、ハヌル、ミニョンとのペアリングになるも「上位の選手であればあるほど隙を見せられないし、いいプレーをしたいと思っていた。集中力を保てたので、ナーバスにならずに上手く18ホール回れた」と2人に勝る好スコアでラウンド。続く地元・四国での戦いとなった「大王製紙エリエールレディス」では「パッティングの時にアドレスの時にボール位置が遠いのでは?」という岡本綾子からの金言が奏功し、2位フィニッシュ。女王の座をグッと引き寄せる。

そして迎えた最終戦。「(自力で決められる)6位ではなく、優勝を見てやっていきたい」と臨むと、2日目にノーバーディと苦しんだが、最終日に3バーディ・ボギーの“69”で7位タイに入り、自身初の賞金女王が決定した。

「嬉しさはもちろんありますが、9月くらいから感じていたプレッシャーがようやく終わって解放される。ゆっくり休めそうです、という気持ちですね。こんなに早く女王になれるとは思っていませんでした。来年はまたプレッシャーがあると思う。それを意識したうえで活躍できればさらに上に行ける」。長く険しい2017年シーズンを終えて、そう語った。

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