「三井住友VISA太平洋マスターズ」の最終日。首位のスンス・ハン(米国)から3打差の3位タイから出た小平智が、8バーディ・1ボギーの“65”をマーク。トータル18アンダーで逆転勝利を飾った圧巻の勝利で賞金ランクトップに返り咲いた小平を、日本ゴルフツアー機構(JGTO)のコースセッティング・アドバイザーを務める田島創志は、「小平智・オンステージでしたね!」と絶賛した。

小平智&古閑美保夫妻、勝利の喜びを分かち合うラブラブ2ショット!
■運を引き寄せた小平の“攻め”の姿勢

「去年よりもグリーンに硬さと速さが出ていて、状態はかなり良かった。去年よりピンポジはしっかりと狙える位置に切りました。その中でどれだけタフに攻めていけるかが重要でした」と田島。その中で小平の“攻めのゴルフ”が光った。

グリーン手前に池が待ち構える6番(パー5)では、池に落ちてしまうかと思われた2打目がふちギリギリで踏み留まり、アプローチを2メートルに寄せてバーディを奪取。「池に入りそうで入らなかったのは、攻め続けたことで運を引き寄せたから」と、田島は勝負強さを賞賛。

今回セッティングを担当した田島によると、「打てるギリギリのラインでピンを切ったので、攻めた人には良い事が待っている」。他の選手が池を警戒して慎重になる中、「池を気にせず、勇気を持ってピンを攻めた」小平の姿勢が、勝利を呼び込んだ。

小平の勢いが増したのはそこからだった。続く7番(パー3)でティショットを3メートルにつけバーディ、その後8番(パー4)でも、セカンドを1メートルにつけて3連続バーディと怒涛の“攻め”を見せた。「7番のバーディでゾーンへのスイッチが入りかけて、8番で完全に入った。(妻の古閑)美保ちゃんは7番かな、と言っていたけど。変なミスさえなければそのまま行くなと思った。攻めて人を魅了するという智の魅力が、全ホール通して存分に出ているゴルフだった」。その後も危なげないゴルフで、上がってみれば2位の宮里優作に3打差をつけ完勝。攻めるゴルフで“魅せて、勝った”小平。田島の「恐れず攻めた者が勝つ」よう考えられたセッティング通りになった。

■周囲を巻き込むほどのスピード感も小平の強さ

もうひとつ、強さの要因として挙げるのが“プレースピードの速さ”。同組で回る相手が巻き込まれてしまうほどだと話す。「一緒に回っていたのは誰だっけ、ってくらい(笑)。人が打った後は、考える時間じゃなくて打つ時間。それを忠実に守っているから智はリズムが良い。人が打ち終わった後にはもう構えている」。9月の「トップ杯東海クラシック」優勝時にも要因として挙げていたそのスピード感が、今回も存分に生きていた。

「今回、自分の中でも“力のある選手が勝てる”セッティングにできたと思う。賞金王争いはお金の話ばかりが前に出るが、どれだけ攻め続けて、人を魅了するゴルフができるかが重要。その点、智も優作も(池田)勇太もそういうゴルフが出来ている。僕らもプレッシャーを感じながらセッティングを考えているが、そういう選手たちが世界ランク50位内に入って、活躍してくれたら嬉しい」。小平の目標は世界ランク50位内に入り、海外メジャー「マスターズ」に出場すること。飛んで曲がらないショットに加え、今季はショートゲームにも光るものがある小平。御殿場で見せた攻めのゴルフは、きっと海外に出ても通じるはずだ。

解説・田島創志(たじま・そうし)/1976年9月25日生まれ。ツアー通算1勝。2000年にプロ転向し、03年『久光製薬KBCオーガスタ』で初日から首位を守り、完全優勝。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制では、トーナメント管理委員会 コースセッティング・アドバイザーを務める

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