悪天候が続き最終的に36ホールの短縮競技となった国内男子ツアー「ブリヂストンオープン」。第2ラウンドに8バーディ・1ボギー“64”の猛チャージをかけ、トータル9アンダーでフィニッシュしていた時松隆光がツアー通算2勝目を挙げた。今季、JGTO(日本ゴルフツアー機構)のコースセッティング・アドバイザーを務める田島創志は、この試合を振り返り、まずは裏方の皆さんに感謝の言葉を述べた。

【スイング連続写真】かつてのスイングとどう違う?石川遼本人が解説
「ボランティアさんだったりコース管理の方だったり、運営の皆さんのおかげで36ホールできた。ディレクターの判断も良かったと思います。最終日はギャラリーの方をコースに入れられる状況じゃなかったですからね」。連日の悪天候の中、大会が成立できたことはJGTOの関係者として感慨深かったようだ。

・時松の個性的な握りは悪天候に強い!?

試合を制した時松については、「運で勝った、とようなことを本人が言っていましたが、そうではなく運を引き寄せたんだと思います。意外とテンション下がってる選手もいたと思うんですよね。あの天候ですから。こんな雨の中でやるのかよ、と。よく、“やまない雨はない”と言うじゃないですか。今回の場合は“やまない雨の中でどうするか”ってのができた人が雨の中では強いんですよ。しっかりと天気を受け入れて、自分のベストを尽くすという。時松選手はそれができたんでしょうね。気持ちで変わると思いますよ。雨の中でも集中力を切らさず、しっかり自分のやりたいことができたから勝てたと思います」。悪天候でも自分のプレーを貫いた時松の心の強さを賞賛した。

また、時松の大きな特徴でもある野球のバットと同じような握り方をする“テンフィンガーグリップ”も悪天候で力を発揮したという。右手の感覚が出しやすいこの握り方では「クラブが常に立った状態で収めやすいのが特徴。腕のローテーションを使わずに、自分の軸とフェース面が一緒に動く、だから悪条件にも強い」。実は今回ローアマに輝いた日大1年の清水大成も時松と同じ篠塚武久コーチの教えを受け、小学校4年生からこの握り方で戦い続けているという。

「自分も試したことがありますが、指に衝撃がかからないのもメリットだと感じました。ボールを打った時の衝撃って左の親指にきやすいんですよ」。左指を伸ばさないテンフィンガーはケガにも強い。時松自身もこの握り方の最大のメリットを「ケガをしにくいこと」と話していた。長年他のグリップになれ親しんできたゴルファーがおいそれとグリップを変えるのは難しいが、手首や親指などを壊しやすい者は選択肢の1つに入れても良さそうだ。

・石川遼のスイングは確かにいい状態ではないが…

「日本オープン」から国内ツアーに復帰した石川遼はこの試合でも予選落ちに。多くのギャラリーを集める人気プロだけにその復活が待たれるが、スイングを見た田島は「確かにいい状態ではないと思います。ただ、彼はスイング的に自分がどういう状況か良くわかっていてると思います。1打1打調整しながらプレーしているのでしょう」と明らかに本調子ではないことは感じたという。

しかし、第2ラウンドの18番で「3番ウッドで右に曲げた後、3打目のアプローチは素晴らしかったです。彼は今、主に自分自身にフォーカスをしていますが、自分がどこにボールを運びたいか、どういう球が打ちたいかが明確になれば、ボクはすぐに良くなるとは思います」。もっとターゲットに意識が向くようになれば、実力者だけに復調も難しくないと田島は言い切った。

解説・田島創志(たじま・そうし)/1976年9月25日生まれ。ツアー通算1勝。2000年にプロ転向し、03年『久光製薬KBCオーガスタ』で初日から首位を守り、完全優勝。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制では、トーナメント管理委員会 コースセッティング・アドバイザーを務める

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