国内男子ツアー「HONMA TOURWORLD CUP」は、初日から一度も首位の座を譲らない宮里優作の完全優勝で幕を閉じた。宮里は72ホールをノーボギーでラウンド。これは、ホールバイホールの資料が残る1985年以降では初の快挙となる。JGTO(日本ゴルフツアー機構)のコースセッティング・アドバイザーを務める田島創志はこれには「本当にすごいこと」と手放しで賛辞を贈っていた。

地元・愛知で今季3勝目!家族の愛は強し?
・ノーボギーで回ることの条件とは

「自分はあまり(ツアーで)ノーボギーのラウンドはなかったですね。それで人のことを語るのは気が引けますが(笑)。ゴルフはナイスショットを続けていくゲームではなく、ミスショットをカバーしていくゲーム。それが本質。先週の優作はそのカバー=リカバリーができていて、リカバリーを失敗してもパットでしのげていました」

ノーボギーでラウンドするのに必要なことは2つ。「ショートゲームとマネージメントが優れてないとできないんですよ。優作はアイアンはキレていましたが、ティショットに関しては苦しみながらプレーしていたように見えました」。小技のスキルと優れたマネージメントが生み出した大記録だった。

そして忘れてはいけないのは宮里の心の強さ。ずっとノーボギーでラウンドし、誰もが快挙を期待する。「特に最後の数ホールは重圧もあったでしょう。マチュアの皆さんも経験があると思うのですが、“100を切る”とか、“90を切る”とか。そういった“壁”は自分で作るものなんですよ。そうした壁を優作は見事に乗り越えた。優勝よりも大きなものがあると思います。もちろん、優勝できたことも素晴らしいことですが」。逃げ切りでの優勝と72ホールノーボギーの大記録は、何より自分に勝てたことで生まれたものだった。

さらに、宮里は選手会長としての職務も全うしている。スポンサーへのあいさつ回りから、ファンとの交流など多岐にわたる業務をこなしながらの今季3勝目に、「選手会長をやりながら勝つだけでもすごいこと。これで3勝目、改めて敬意を表しますよ。また自分が住んでいるところで勝つのも難しいことなんです」。今季は現在居を構える愛知で2勝、生まれ故郷の沖縄で1勝を挙げている宮里。そうした地元&準地元で勝っていることにも田島は同じプロとして感嘆していた。賞金ランクも首位に返り咲き、これからも選手として、会長としてツアーを名実ともに引っ張る存在になりそうだ。

・若手がベテランに勝つのに必要なこと

この大会では22歳の池村寛世と25歳の大堀裕次郎が最終日最終組で宮里と優勝を争った。2人は3位タイに終わったが、若い選手にとっては「いい経験になったと思う」とこれを糧に一皮向けることを期待していた。優勝した宮里や2位に入ったベテラン・片山晋呉にこの試合のような伸ばしあいで勝つには「100〜120ヤードのショットをどれだけチャンスにつけられるか。その精度を上げていかないと。ベテランの選手たちは、そこで戦っているので。そこが上手くなれば勝つチャンスはあると思います」。若手たちにはさらなる精進が必要なようだ。

また、2日目に70歳のジャンボこと尾崎将司が3バーディ・2ボギーの“70”で回り、2013年の「つるやオープン」2日目以来、自身2度目のエージシュートを達成した。残念ながら予選を突破することはできなかったが、「本当にスゴいと思います。世界広しといえど、誰もできないですよ。70歳になって70で回れって。レギュラーツアーのセッティングですよ」。宮里とジャンボの2つの偉業、類まれな心の力と技量を持つ2人が国内ツアーを大いに盛り上げた1週間となった。

解説・田島創志(たじま・そうし)/1976年9月25日生まれ。ツアー通算1勝。2000年にプロ転向し、03年『久光製薬KBCオーガスタ』で初日から首位を守り、完全優勝。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制では、トーナメント管理委員会 コースセッティング・アドバイザーを務める

<ゴルフ情報ALBA.Net>