<HONMA TOURWORLD CUP 最終日◇8日◇京和カントリー倶楽部(7,190ヤード・パー71)>

今年の国内男子ツアー「HONMA TOURWORLD CUP」を制したのは、開催地の愛知県に居を構える宮里優作だった。初日から最終日まで一度も首位の座を譲らない完全優勝だが、驚くのは72ホールでノーボギーだったことだ。これは、ホールバイホールの資料が残る85年以降では初めての快挙となる。

宮里一家大集合!記念撮影で藍もニッコリ
最終18番パー5でパーパットを沈めた後、天に向かってパターと指を向けた宮里。その先は昨年の10月8日に亡くなった紗千恵夫人の父・小川正氏に向けられていた。「大会前にお墓参りにいき、名古屋で3週連続試合があるので、いい風を吹かせくださいと頼んだんです。今日が命日だったこともあり、いい風を吹かせてくれてありがとうとお礼をこめてのポーズです」。

序盤で2位以下と5打差に開いたが、宮里にはセーフティリードという意識は一切なかった。アウトコースにスコアボードが少なかったこともあるが、「このコースは勢いに乗ったら、どんどん(後続が)スコアを伸ばしてくるという気持ちがあった」からだ。そういう不安を抱えながら、今度はノーボギー継続中という事実が逆に宮里を苦しめる。「変に意識してしまいました。もっと攻めたかったといいますか……。それでも、17番パー4を終えたとき、18番パー5でティショットをフェアウェイに置けば大丈夫かなと。達成してみてピンとはきませんが、こういうゴルフもできるんだなと自信にはなりました」。

今年の春先に「中日クラウンズ」、「日本プロゴルフ選手権」と2週連続優勝を飾った。その時点では自分が目指すゴルフの方向性が間違っていないと思った。しかし、その後「全米オープン」、「全英オープン」と海外メジャーの舞台を経験し、その考えが大きく変わる。トッププロが簡単なクラブを使っていたからだ。

「技術も大切だけど、ある程度クラブやボールの恩恵を受けることも大事かなと感じました」。以来、アイアンヘッドを小ぶりのものから大きいものに替え、シャフトもXからSに替えた。セッティングも海外の選手が長い距離よりも短い距離に重きを置いていると感じ、3番アイアンを抜いて、ウェッジを1本増やした。コースマネジメントもパー5で2オンを狙うのではなく、3打目にピンに寄せるようにした結果、ボギーの数が減ると同時に、バーディの数が増えたという。ゴルフに対して常に進化しようという強い気持ちがあるからこそ、今回のノーボギーVにつながったのかもしれない。

今季3勝目(ツアー通算6勝目)を挙げたことで、賞金ランキングもトップに返り咲いた。「今後は賞金額の高い大会が続くので、毎週ランキングが変わると思います。明日からは気持ちを切り替え、次のステップに向けて何をすべきか明確にしたいですね」。

近い将来、海外ツアーへの挑戦も頭にあるという宮里。37歳となってもまだまだ進化に対する気持ちが尽きることはない。

文/山西英希

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