日本ツアーとアジアンツアーの共同主管試合として開催された「アジアパシフィック ダイヤモンドカップゴルフ」。首位が目まぐるしく変わり、一時、2打差に11人がひしめき合う稀に見る大混戦を制した片岡大育が、去年9月の「トップ杯東海クラシック」以来となるツアー通算3勝目を挙げた。「片岡のいいサクセスストーリーだった」と語るJGTO(日本ゴルフツアー機構)のコースセッティング・アドバイザーの田島創志が、熱戦となったこの試合を振り返る。

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■全選手にチャンスがあるフェアなセッティングが生んだ好勝負
テレビ中継で試合を見たという田島。開口一番、「ここ数試合好ゲームが続いているけど、この試合もすごく良かった」とコメント。最後までどっちに転ぶかわからないシーソーゲームとなった理由の1つは、「全ての選手にチャンスがあるフェアなセッティングだったことが大きい」と分析。「男子のプロにとっては距離が長いコースではなかったけど、グリーンがうねっていて(バーディが獲れる)エリアが狭かった。しかもラフが長かったので、飛ばす選手でも曲げてラフに入れると出しにくかったと思うんですよ。逆に飛ばない選手でも、フェアウエーをキープしていたらグリーンに止めやすかったと思う。総合力のある選手が勝つ、フェアなセッティングだった」と評価した。

その上で、「フェーダーの片岡が右の風にぶつけてあれだけのショットを打った」という勝負を決めた17番パー3のティショットや、「攻める気持ちというかプレーに生き様みたいなのが感じられた高山忠洋の負けっぷり」、「毎週優勝争いに絡んでくる今平周吾のポテンシャルのすごさ」などを挙げ、「すごくいいゲームだった。1人のゴルフファンとしては、できれば生放送で見たかった」と総括した。

■アジア経由世界へ!選択肢が増える片岡「正直羨ましい」
今回の優勝で、片岡はアジアンツアーのシードと、念願だった米国や欧州ツアーとの共催試合に出場できる可能性を掴み取った。「プロデビューがアジアンツアーで思い入れもある」という田島も、「選択肢が増えて大変だと思うけど正直羨ましい」と話す。

巷で話題となっている「日本オープンゴルフ選手権」へのエントリー問題(※)については、「筋としたら(片岡も)既にエントリーが済んでいるので、ルールを守りながらやっていくのがベターな選択だとは思う」としながらも、「“世界に出て行って欲しい”という気持ちはすごくある。かなりのリスクを背負うことになるとは思うが、最終的には選手の判断を尊重すべき」と自らの考えを述べた田島。ただ、「JGTOの青木功会長は“海外で通用する選手を作る”と言っているし、選手にそういうチャンスを与えられるように考えているはずなのでいい形でまとまれば」と期待感を口にした。

最後に、「身体も大きいわけでもなく、すごく飛ばすわけでもないけど、ユーティリティを駆使して随所でいいショットを打ってくる凄く魅力的選手」という片岡のサクセスストーリーについては、「日本ツアーがアジアンツアーとジョイントすることでヨーロッパへの道が開けるという試合に、日本人選手が勝てたといういいストーリーだと思うし、ネガティブに捉える必要は全くない」と言い切った。

解説・田島創志(たじま・そうし)/1976年9月25日生まれ。ツアー通算1勝。2000年にプロ転向し、03年『久光製薬KBCオーガスタ』で初日から首位を守り、完全優勝。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制では、トーナメント管理委員会 コースセッティング・アドバイザーを務める

※2015年に、米国PGAツアー下部の「ウェブドットコムツアーファイナルズ」で当時のPGAツアー出場権を獲得した岩田寛が、既にエントリー済みだった日本オープンゴルフ選手権を欠場し、同週に開催されたPGAツアー開幕戦「フライズドットコムオープン」に出場。その制裁として、日本ゴルフ協会(JGA)が岩田に対し、JGA主催競技であるアジアパシフィック ダイヤモンドカップゴルフと日本オープンゴルフ選手権への2017年度末までの出場停止処分を科した。

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