・勝負を分けたのは池田勇太の意識の高さ

美人スッチーに囲まれ… カップを掲げる池田
国内男子ツアー「ANAオープン」はホストプロの池田勇太が時松隆光、今平周吾との三つ巴のプレーオフを制し幕を閉じた。最後まで誰が勝つか分からない白熱した展開、JGTO(日本ゴルフツアー機構)のコースセッティング・アドバイザーの田島創志は「すごく良い試合展開でしたし、面白かったですよね」と評した。

今回、田島が改めて感じたのは池田の距離が伸びたこと。今季は上半身の強化にも取り組み、池田曰く「15〜20ヤード」飛ぶようになり、体重も8キロ増量されたという。「彼の強さはドライバーで前に行かせられる、ってことですよね。最後もサンドウェッジで打ててたんですからね。他の選手はもっと長い番手で打っているところを。海外を見据えて鍛えてきたことが、いい方向に行ってますよね。素晴らしいことだと思います」(田島)。

また、田島が注目したのは池田の精神面。「勇太は楽しそうにやってましたね。真剣勝負の中でこうした楽しさを出せるのはいいと思います」。馴れ合いではなく、ヒリつくような優勝争いの中でも、ゴルフを楽しく無心にやる。それができるのも、池田の強さの理由だ。

そして、スポンサーへの細かい気遣いができる義理堅い性格も池田の魅力の1つ。「3日目と4日目はブルー(ANAのイメージカラー)系のウエアを着ていましたね。そういう細かい配慮もそうだし、表彰式でのメッセージも良かった」。池田は海外遠征時にサポートしてもらっているANAへの感謝を口にしていた。そして、ホスト大会を盛り上げようと、開幕前から“優勝”の2文字を口にして強い気持ちで挑み、そして勝ち切る。こうしたことができるプロはそう多くないだろう。

・敗れた若い2選手の今後に期待

池田の前に敗れたが、時松や今平もこれからが本当に楽しみな選手。2人ともアイアンを打ち込むタイプで、ボールが沈む寒冷地の芝でも距離感を出せる実力がある。「(時松)隆光はコメントですごく悔しさを滲ませてましたね。それがすごく良かった。(今平)周吾は上がりでバーディを獲り逃したのは、すごく悔しかったと思う」。この悔しさは必ず若い2人の次につながると期待を寄せていた。

最後に勝負を分けたのは“世界”というハイレベルな戦いを経験し、そこに行くために鍛錬を重ねていた池田だった。谷原秀人も欧州ツアー参戦でスイング改造に着手、その中で今大会をトップ5でフィニッシュした。このようなさらに上のステージを目指す選手たちの存在が「これからもっと男子ツアーをいい方向に導いてくれると思いますよ」。プレーで魅せて、その後はファンサービスで魅せる。男子ツアーの選手たちは確かに変わってきたように感じられる。

解説・田島創志/1976年9月25日生まれ。ツアー通算1勝。2000年にプロ転向し、03年『久光製薬KBCオーガスタ』で初日から首位を守り、完全優勝。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制では、トーナメント管理委員会 コースセッティング・アドバイザーを務める。

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