<マンシングウェアレディース東海クラシック 最終日◇17日◇新南愛知カントリークラブ美浜コース (6,446ヤード・パー72)>

今季何度も優勝争いに加わりながら、なかなか勝てずにいた川岸史果がついにツアー初勝利を手にした。台風18号の影響で開催が危ぶまれた最終日だが、いざふたを開けてみると、多少振った雨も途中からすっかり上がり、風もない穏やかな天候だった。ドライバーショットのランがあまり出なかったものの、それ以上にグリーンが止まる状態だったので、むしろ選手にはスコアを出しやすいコンディションだったといえる。その中で、圧倒的なゴルフを見せたのが川岸だ。

台風に負けない熱戦!女子プロたちの活躍を写真でプレーバック!
首位と2打差の7位タイでスタートしたが、3番でグリーン奥7ヤードからのアプローチを沈めてバーディを奪うと、8番ホールまで怒涛の6連続バーディ。首位に躍り出るどころか、この時点で2位以下に3打差をつけ、一気に独走態勢をつくる。後半もスコアを2つ伸ばし、気がつけばコースレコードまであと1打に迫る8バーディ・ノーボギーの“64”をマーク。通算13アンダーで2位に2打差をつけてホールアウトした。

「やっと勝てましたね(笑)。17番ホールで初めてスコアボードを見てリードしていることを知りましたが、残り2ホールをノーボギーで上がることだけを考えていました」という川岸。

勝利の涙こそ見せなかったが、この勝利まで何度も悔しい思いをしてきた。川岸良兼、麻子というトップアマからプロに転向した両親の娘としてジュニア時代から注目されたものの、プロテストには4回目で合格。同い年の鈴木愛や藤田光里、松森彩夏がツアーで優勝を飾り、活躍しているのに、自分には試合に出るチャンスすらなかった。それでもスイング改造をしたり、パッティングの精度を上げることで自分のゴルフをひたすら磨き続けた。昨年のQTランキングで26位となり、ようやく今季の出場権を得たが、昨年12月に右足首の遊離軟骨除去の出場をしたことで、半年間はだましだましのプレーをするしかないと思っていた。

にもかかわらず、前週まででトップテン入りが9回あったのは、ポテンシャルが高い証拠だが、今回の優勝で勝負強さというワンピースも加わった。今後は2週後の日本女子オープン制覇を目指し、米女子ツアーのセカンドQT突破も視野に入れている。2020年の東京五輪の出場権を得るためにも、海外の試合で上位に入り、世界ランキングを上げたいという。
「1勝だけでは父も認めてくれないと思います。はやく2勝目を挙げたいですね」という川岸だが、その父は「父と娘のどちらが先に勝つかという勝負は娘の勝ちです。今日で川岸良兼という名前は捨てました。これからは史果の父親として生きていきたいと思います」と、独特の表現で喜びを表現した。それでも、「胸を張って米ツアーのQTを受ければいい」とエールを送った良兼。怪物伝説は父から娘へと受け継がれた。

文・山西英希

<ゴルフ情報ALBA.Net>