岩手県で開催された「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」は38歳のベテラン・李知姫(韓国)がメジャー2勝目を挙げた。最後まで食らいついた2位にはイ・ミニョン(韓国)、日本勢最上位となる3位には東浩子が入った。また、4位タイには川岸史果、比嘉真美子、柏原明日架とこれからのツアーの未来を背負う3人がランクイン。そんな戦いを上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が掘り下げる。

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■3位に入った東浩子には“合わせない”強さがある
優勝した李知姫、イ・ミニョン(共に韓国)といった実力者たちに負けないプレーを見せた東浩子。最終日のバックナインで3連続ボギーを叩きながらも「今日は最後までしがみつくのがテーマでした。15番から全部獲ってやる、くらいの気持ちで臨んだ(東)」と気合いで2バーディを奪取。単独3位に入り1,400万円を獲得。賞金シードをほぼ手中に収める2,400万円を突破した。

その東はフェアウェイキープ率が2位と安定したティショットが持ち味。フェアウェイの狭い安比高原ゴルフクラブでも強みをいかんなく発揮した。1日平均で10回はフェアウェイを捉え、フェアウェイキープ率は堂々の大会1位だ

「精度の高いドライバーショットの東さんの良いところは“合わせない”こと。普通あれだけフェアウェイが狭いコースなら“まっすぐいけ!”とボール、コースに合わせたスイングとなってしまいます。ですが東さんはスパンと振ったらまっすぐ行く自信があるのでしょう。しっかりと自分のスイングができていました。振ってるから曲がらない。小手先で飛ばしている感じが全くありませんでした」

初優勝への課題はパッティング。「フェアウェイキープ40回、パーオン数も56回。この数字は勝ってもおかしくない数字です。となるとパッティングが課題であることは明確です。今回はショットで乗り切ることができましたが、グリーン上での不安を取り除くのが今後のテーマとなるでしょう。パットは“合わせに”いっていましたから。ショットと同じように“合わせない”パッティングが出来ればさらに上が見えてくると思います」

■4位タイの柏原明日架、比嘉真美子も収穫十分 今後に期待大
「初日からゲームを引っ張っていました。ツアー未勝利を感じさせない顔つき、振る舞いで戦っていた」と辻村氏が語るのが柏原明日架。その表情から充実感を感じ取ったという。

「これまでの柏原さんは結果ばかりを気にしていて、自分のスタイルが出来ていませんでした。もちろんプロは結果が大事です。だけどそれ以上に自分のやるべきことを大事にできているか。これは大きな違いです。結果ばかり見てしまってはできない自分に苦しむ。ですが今大会では自分のやるべきことにチャレンジしているように見えました。だからいつもとは違う良い集中力がでていました。それにミスやボギーなどの結果が出ても上手く切り替えられていたように思えます」

「大事なのはこの気持ちでこれから何試合できるかということ。もし全試合できたら相当強くなるでしょう。もともと柏原さんは良いショットを持ってるしパターも上手い。勝つ勝たないは地力をつけるしかありませんが、こういう気持ちで続けていけば絶対に強くなれる。次の試合が待ち遠しいんじゃないかな。ホールアウト後にそういう目をしていました」

一方の比嘉真美子は最終日に出場選手で唯一となるノーボギーでラウンド。トータル1アンダーまで伸ばし、あわやというシーンを演出した。「日曜日に伸ばして、最後まで分からない位置にいることができた。良い状態にあるということです。まだ日本女子オープン、リコーカップもありますが、残りのメジャーに向けて良い流れができたのではないでしょうか」

■鈴木愛は連覇ならずも本当に地力がついてきた
最後に連覇を達成できず7位に終わった鈴木愛について。「9番でカップに蹴られて3連続バーディを獲れず流れが悪くなった感じでしたが、攻めきって散っていった。攻め続けるには実力が必要です。今大会を見てショットがさらに上手くなった印象を受けました。本当に地力がついてきたと感じました」

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子らを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。


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