去年無念のシード落ちとなり、今季はステップツアーを主戦場としていたO・サタヤ(タイ)が、3年ぶりのツアー3勝目を挙げた「ゴルフ5レディス」。国内女子ツアー初の快挙となるウェイティング出場からの優勝で幕を閉じた今大会を、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が振り返る。

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■3季ぶり3勝目のサタヤ「どん底を味わった選手は強い」
8人の欠場者が出たことで、「アース・モンダミンカップ」以来となる今季5試合目の出場権をゲット。そのワンチャンスを3季ぶりのツアー優勝につなげたサタヤに対して、「今週は、目つきや表情、スイングなどから雰囲気と貫禄が感じられました。そんなムーちゃん(サタヤの愛称)は久しぶりでしたね」と祝福した辻村氏。以前から、「パターが打ち切れない、(パターを打つ時に)ゆるむ癖」が気になっていたそうだが、「今大会はとにかくパットが良かった。16番と17番のバーディパットを強気に決めたのはもちろんですが、勝負が決まっていた18番でもしっかりとカップを越えてきたムーちゃんは強くなったなと感じました。17番での強気のパットが“ガコン”と入った時には、勝つ人はこういうのが入るんだ」と感心したという。

サタヤは2010年から国内ツアーに参戦。2013年と2014年にはツアーで1勝ずつ挙げ、賞金ランキングも18位、17位に入るなど輝きを見せた。「元々ショットメーカーですが、2014年はパーオン率が全体の6位と抜群でした」と評価。そんなサタヤが2016年には3年間守ったシードから陥落。QTでも73位と不振に陥ったことについては、「地獄を見たと思うし、希望を失ったと思う」と話した辻村氏。だからこそ、キャディとしてサタヤをサポートした永井眞珠の存在が大きかったと断言した。「眞珠さんは、キャディでもあり、マネジャーでもあり、さらに運転手も務めるなど献身的にサタヤを支えてきました。彼女がいなければ異国での試練をサタヤ1人では乗り越えられなかったと思います」。

サタヤは今回の優勝で、今週の「日本女子プロ」から来年の「ゴルフ5レディス」までの出場権を確保した。「サタヤは来日時からずっと、愛知県の瑞泉寺を生活の拠点にしてきた苦労人。優勝会見で“去年シード落ちして悔しかった。シーズンオフには嫌いだったアプローチをいっぱい練習した”と話したそうですが、そういう真面目な所が今回の勝利に繋がったと思います。次の目標は残り試合での“シード獲得”でしょうが、強い時のサタヤが戻ってきた感があるので可能性はありますね」。

■悲願の初優勝を取り逃がした下川めぐみ
一方、サタヤの“確変”の余波をもろに受けたのが下川めぐみ。単独首位からスタートし、絶好の展開と思った矢先、「ゲームみたいですね」(下川)というサタヤの猛チャージを受け、悲願の初優勝を取り逃がしてしまった。そんな下川のプレーを、「残念でしたが、自分にできるゴルフをしっかり全うしていました」と評価した辻村氏。今回2位になったことで528万円を獲得。賞金ランキングを48位から38位にアップさせ、自身初となる2年連続のシード獲得に大きく前進したことについても、「試合や練習で適当にしている彼女を見たことがない。普段の真面目な取り組みが結果に現れていると思います」と絶賛した。最後に、今回の優勝争いについては、「前半だけ見ると、笠りつ子や鈴木愛といった優勝経験の多い選手が行くのかなという感じもありましたが、このチャンスを逃すわけにはいかない2人にプラスアルファーの力が働いたと思います」と総括した。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子らを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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