<フジサンケイクラシック 最終日◇3日◇富士桜カントリー倶楽部(7,566ヤード・パー71)>

富士山もくっきりと姿を現す快晴。ほぼ無風のゴルフ日和となったこの日、ハイスコアが続出する今大会で今日こそビッグスコアが期待されたが、モンスターコースが牙を剥いた。

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最終組は海外勢の3人、チェ・ホソン、イム・ソンジェ(ともに韓国)、スンス・ハン(米国)だったが、2番パー3でホソンがダブルボギー、ソンジェがボギーと出鼻をくじかれる。とき同じくして、2組前に1アンダーでスタートした宮里優作が3番、4番ホールでバーディを奪い、先頭グループが一気に固まった。一時はトップと2打差内に11人がひしめく大混戦模様。その後、一人、二人と上位から脱落していき、最終組のハーフターン時点で11人いた赤字は僅か6人しか残っていなかった。

そんな中、最終組より7組前、首位と8打差の3オーバー22位タイでスタートした小平智が8バーディ1ボギーの“65”と大爆発。1アンダースタートのH・W・リュー(韓国)は13番までパーを重ねて、その後2バーディを奪取。また、最終組のスンスも、ボギーを2つ先行させながら14番、17番のバーディで取り戻し、この日をイーブンでまとめてみせた。結果、以上トータル3アンダーでフィニッシュした3人によるプレーオフへ突入。今大会のコースセッティングアドバイザー・細川和彦氏が大会前「プレーオフにもつれる接戦にしたい」と語っていたとおりの展開。富士桜CCにおける歴代最多ストロークを更新する“281”という優勝スコアがその難易度を物語っていた。

18番(465ヤード・パー4)で行われたプレーオフ1ホール目。パーパットが決められなかった小平、ハンスに対し、2打目、グリーン奥のバンカーに外したリューがナイスリカバリー。2メートルのパーパットを決めて、2012年の「コカ・コーラ東海クラシック」以来となるツアー通算2勝目を挙げた。

意外にも、今季韓国人選手初の優勝だ。「今日はスコアを伸ばしたいと思っていましたが、思うように伸ばせず、優勝できるとも思っていなかったので不思議な気持ちです。でもうれしい。プレーオフでは入れてはいけないグリーン奥のバンカーに入れて、終わった、と思ったのですが、運任せのバンカーショットがうまく寄ってくれました。カップをすぎて止まったので、返しのパットのラインが見えていたのがラッキーでしたね(リュー)」。

しばらく優勝から遠ざかっていたこともあって自信を喪失し、ホームシックにも陥り精神的につらい時期もあった。しかし、この優勝でまた前向きになれそうだ、と笑顔で話す。7歳の長男と3歳の長女の2児を持つ父。「家族も日本が大好きなので、近い将来、みんなで日本に移り住むことも考えています。だからこれで満足せずにもっと頑張らないと」。

今週の8日(金)に36歳の誕生日を迎えるリュー。しびれる接戦を勝ち抜き、最高の形で自身のバースデーを祝った。

文/伊藤昇市

<ゴルフ情報ALBA.Net>