選手のお気に入り曲を使った選手紹介や、地元グルメの食べ放題、グリーン上でのHKT48のライブなど、これまでのトーナメントでは見られなかった演出で話題となった「RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント」。最終日に首位タイからスタートした池田勇太が、上井邦裕との白熱したマッチレースを制し、トータル18アンダーでツアー通算17勝目、本大会3回目の優勝を果たした。厳しい残暑の中での戦いとなった今大会を、JGTO(日本ゴルフツアー機構)のコースセッティング・アドバイザーの田島創志が振り返る。

池田勇太、勝利の女神とニッコリ!土屋太鳳似の21歳美人キャディ
■アメリカで戦える選手を作るコースセッティングに
大会を通して選手たちから、「グリーンが硬いし速い」という声が上がった芥屋のグリーン。2年連続でこの大会のコースセッティングを担当した田島によると、「芽数が増えて芽が詰まったことでグリーンの表面は硬くなり、また短く刈れるようになったので速くなった。ここ10年でベストな状態に仕上がった」という。「コンパクションが24.5でしたので、ティショットを曲げてラフからとなるとほとんど止まらない。選手によっては難しいグリーンと感じたかもしれませんね」と分析した。

「JGTOの青木功会長とも“中途半端なセッティングにしない”と話し合った」という田島。今回意識したのは、アメリカで戦える選手を作るためのコースセッティングだという。「ただ難しくするだけでなく、意図を持ったセッティングにしている。たとえば、パー3の17番では3日目はエッジから22ヤードにカップを切ったが、最終日は7ヤードにした。そのかわり、ティの位置を15ヤード前に出して、ピンを狙うアイアンの正確性を求めた。また、カップは端に切ってあるが、ピンサイドでもセンターサイドからでも最高のアプローチをすれば寄るように設定したつもりです。コンパクションが出れば難しくなるのは当然ですが、最高のショットだけでなくマネージメントや最高のリカバリーをすることも求められるセッティングでした。選手には、こちらが考えるステージに乗ってきて欲しいし、そこで戦えない選手は生き残れないと思う」と訴えた。

そういう意図がこめられたコースを攻略し、今回優勝したのが池田。その池田は優勝会見で、今大会のグリーンの出来を賞賛するとともに「(今回のグリーンで)硬いと言っているようでは世界では戦えない。(自分は)硬いと思わなかったし、もう少し速くすることもできたんじゃないか」とコメント。池田の意見に対し田島も同意し、「(アメリカでの結果を)批判する人がいるのは知っているが、アメリカで勝ちたいという気持ちで努力しているからこそ身についた技術が池田にはある。若い選手たちも勉強して、そういう技術を身につけて欲しい」と若手選手への期待を口にした。

■池田を倒すにはパフォーマンスを出させない工夫が必要
今大会では3日目の最終組で、25歳の大堀裕次郎と24歳の出水田大二郎が、大堀に関しては最終日の最終組でも池田とともにラウンド。若手選手が去年の賞金王に挑んだが、その牙城を崩すことはできなかった。田島も「力がある若い選手がいる」ことを認めつつ、「“池田を叩きつぶす”くらいの気持ちでいかないと勝てない」と話す。

池田といえば派手なパフォーマンスが注目を集めるが、「賛否はあるが、あのパフォーマンスが出る時の池田は強い。逆に言えば、あれを出させない状況に持っていく必要があるということ。若手が池田に挑んでいくためには、自分のパフォーマンスを上げて(池田に)出させないようにするとか、一切無視を決め込むとかいろいろ考えないと。ラウンド中に(池田と)話している場合じゃないし、技術に見とれたりしている間は絶対に勝てない」と手厳しい。

しかし、その一方で、「相手に隙を見せたらダメ。みんなが見たいのは真剣勝負。きれいなゴルフをするだけではなく、歯を食いしばって頑張ってほしい」と若手選手へのエールも忘れなかった。

解説・田島創志(たじま・そうし)/1976年9月25日生まれ。ツアー通算1勝。2000年にプロ転向し、03年『久光製薬KBCオーガスタ』で初日から首位を守り、完全優勝。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制では、トーナメント管理委員会 コースセッティング・アドバイザーを務める

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