今季のメジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」で、松山英樹は終盤まで優勝争いに加わり一番メジャータイトルに近いところまでいった。しかし、同組のジャスティン・トーマス(米国)が幸運にも恵まれ素晴らしいプレーを披露、トータル8アンダーでメジャー初制覇を達成。松山の悲願は来年に持ち越しとなった。

インタビューで涙をこらえる松山
ツアー10勝で米ツアー参戦経験もある田中秀道は、松山のプレーは他の選手に全くひけをとらず、敗因を探すのは「あら探しをしてるような気にしかなりません」とコメント。しかし、あえてそれを探すとすれば「これまでもメジャーで優勝候補として名前が挙がってくる立ち位置でしたが、全米プロでは世界中のゴルフファン、そして選手たちからも優勝候補筆頭として見られていましたよね。次点候補が見えないぐらいの筆頭だったのは初めてのこと。その位置でメジャーを迎えたのは今回が初めてだったので、最終日のサンデーバックナインに関して言えば、ボクなんかが分からない世界ですが、自覚症状のない緊張感はすごくあったと思います」と話した。

また、松山は前回の海外メジャー「全英オープン」でも優勝を狙える位置で最終日を迎え、全米前週の世界ゴルフ選手権「WGC-ブリヂストン招待」では最終日に“61”のコースレコードで優勝。「心身共に自覚できないところで疲れのようなものがあったと思う。脳で考えるものを、体に送り出すのに“距離感”ができてしまったと思うんですよ。そのズレが少し出たところが、11番のセカンドのミスなど大きなショックにつながったのかなと思います。それは決して技術のなさではないです」。大きな期待と度重なる優勝争いの重圧、あえて敗因を探すとすればその2つが挙げられる。

「今年のメジャーの戦いぶりをみれば、誰よりも安定している。今回は勝ちに対する結果はついてこなかったですが、“神の領域”の中での細かい噛み合わせというか、そこがちょっとハマらなかっただけ。先週はずっと調子が悪いとコメントしてましたが、その中であの悔し涙を流せるところが…。内容を考えると本当にこちらの涙がでるくらい。良くない中でも勝ちたい、勝つんだという気持ちで戦って。そして18番、ボクはあそこをプレーしたことがあるので分かるのですが、右サイドには彼らのレベルなら打てるんです。あそこで左のクリークに入れた。最後までギリギリ左サイド狙って、川を越えた場所に置いて、セカンドショット入れるぞって気持ちが最後まで表れていました。それには、やっぱり感動しました」。

優勝候補の筆頭として戦ったことは、「そこに対する経験値が上がったことは良かったと思います」と必ず今後につながるはず。今回は残念な結果だったが、松山のメジャー制覇は本当にあともう少し、あと一歩のところにある。

●田中秀道(たなか・ひでみち)1971年3月29日、広島県出身。91年にプロテスト合格。95年にフィリップモリスでツアー初優勝。02年から米ツアーにも参戦した。ツアー通算10勝。

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