「大東建託・いい部屋ネットレディス」で2年ぶりに勝利を挙げた成田美寿々。その成田と今季のツアーから異例のパッティングコーチとして契約を結んだ南秀樹氏が、今大会の勝因について語ってくれた。

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成田はこの大会の前週にあった「センチュリー21レディス」で、最終日に一時は首位に立ちながらも優勝を逃した。「本人のプレッシャーにならないように黙って観に行っていた」という南氏は、勝てなかった理由について、「ショットからパッティングが悪くなっていった」と分析していた。「12番辺りからショットが曲がっていった。それでチャンスに中々つかなくなって、16番で我慢できずにパターを上からガツンと打ってしまいボギー。ショットのリズムが悪くなったことから、パターのリズムも悪くなっていきました」。

成田のパッティングが悪くなるとき。それは手打ちになりはじめるときだ。「ダウンスイングでヘッドを待ちきれなくなるんです。“ゆっくり打つこと”は、決して“クラブをゆっくり上げること”だけではないんです。体全身を使ってゆっくり上げて、ゆっくりおろす。それが悪い時は、“ゆっくり”上げたパターがおりてくるのを待ちきれずに、手でおろしてきてインパクトしてしまう。(優勝争いしながらスコアを落とした)サロンパスカップの最終日やモンダミンカップの3日目は、まさにそんな感じでした」。

その悪い癖がこの大会では一切見られなかった。「パターのヘッドで叩くのではなく、シャフトを使って押し込むパットが打てていてパットの音が格段に良くなった。いいショットのリズムをいいパターのリズムに繋げられたのも要因の1つです。そして、ずっと平常心だったことが良かったですよね。象徴的だったのは11番のファーストパット。“パンチが入りそうなイメージ”があったのでしょう、一度入ったアドレスをほどいたんです。その落ち着きを見て、もう大丈夫だと思いました」。平常心を貫いた成田は、その後も追いすがる後続に心揺さぶられることなく、最終日の18ホールを駆け抜けた。

南氏はパッティングコーチだが、パターだけを見てるわけではない。ドライバーからパターまで、全てのプレーを一連の流れで見ている。「ショットは井上透コーチが見ていますから、スイングがどうのこうのといった話はもちろんしません。ですが、タイミングやリズムというのはショットからパターまで同じように連動するもの。だから試合を見ての全体の傾向や、ショットからの流れというのは意識してみるようにしています」。実際、パッティングコーチとして契約を結んだ直後に行われた香川合宿では、「南さんはパッティングを私の得意なショットからつなげてきて説明してくれるので分かりやすいんです」と成田も話している。

さらなる高みに向けて、南氏が今後のパッティングの課題に挙げるのが、グリーンの得意不得意をなくすこと。「もっと強くなるために大事なことは、鈴木愛選手のような苦手なグリーンの少ないオールラウンダーになることです。今回成田さんは、“苦手”と話していたアンジュレーションの多いグリーンを克服して自信をつけましたが、今後、得意だったコースが苦手となるかもしれない。僕含めてそれを踏まえて練習していくことが大事になると思います。そこができればもっともっと強くなりますよ」。成田が優勝会見で掲げた、「平均バーディ数と平均パット数を上げてパッティングの女王になりたい」という目標、そしてその先にある賞金女王になるためには、苦手なグリーンを作らないことが必要不可欠である。

南秀樹(みなみ・ひでき)/1974年2月21日生まれ、香川県出身。今季から日本で初めて成田美寿々のパッティングコーチに就任。成田以外にも金田久美子らを指導している。週に5回は食べるほど讃岐うどんが好き。ALBA誌にて「讃岐のヒデキ 1ラウンド30パットへの道」を連載中。

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