今週紹介する選手は、小野祐夢(ひろむ)。古閑美保、上田桃子など数々のトッププロを輩出した坂田塾出身。昨年、プロに合格したばかりの19歳だが、今週開催されるステップ・アップ・ツアー第8戦『日医工女子オープン』では、初日の最終組にペアリングされるなど期待度が高い選手だ。

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 高校3年でナショナルチーム入りし、プロテストは一発合格。新人戦である『加賀電子カップ』は2位と目下、伸び盛りだ。今季のステップ・アップ・ツアーでは、5試合中、3度のトップ10フィニッシュを決めており、平均ストロークは、現在、賞金ランキング1位の福山恵梨についで2位と安定感がある。先だって行われたレギュラーツアー『リゾートトラストレディス』では、2日目終わって9位と健闘した。最終日に崩れたものの、すでにレギュラーでも十分に戦える実力を秘めている。

 小野が注目されたのは、ステップ・アップ・ツアー第3戦『パナソニックオープンレディース』だ。最終日に圧巻の8バーディーをマークする「65」と爆発し、優勝争いしていた上位選手を一気にまくって、勝利に大きく近づいた。最終的には、野澤真央の残り4ホールでの連続バーディーという離れ業に敗れたが、試合を盛り上げた立役者となった。

 その話を小野に振ってみると、笑顔が消え、ほんの少しだけキュッと顔をしかめた。初めて手にしかけた優勝のチャンスだっただけに、悔しくないはずがない。しかし、この経験も未来への糧になるだろう。

 外見は、20歳前の女の子そのもので、街で見かけてもプロアスリートとはわからないだろう。友人から、コアラに似ていると言われた事があるとのことで、たしかに小動物のような愛嬌ある佇まいがある。しかし、外見から受ける印象とは別に、取材での受け答えはシンプルで歯切れがいい。フラフラしたところがなく、地に足が着いていて、芯の強いところを感じさせる。

 同じように、彼女のプレースタイルも実に落ち着いていて、一喜一憂しない。ミスしてもアンラッキーがあっても、感情をあまり表に出さないのが特徴だ。しかし、淡々とプレーしているわけではない。静かに心の炎を燃やすタイプで、そのあたりは、すでに勝負師の気質を持つ選手といえそうだ。

 飛距離も平均以上に出るし、ショット力も高い。個性的なところが少ないコンパクトなスイングで、技術の土台がしっかりしている。得意なクラブはウェッジで、シンプルな打ち方ながら、色々な球を打ち分けているようだ。パッティングの上手さもあり、弱点の少ないオールラウンドプレーヤーだ。

 精神的な落ち着きと高い技術を持った好プレーヤーで、まだ10代の若さも魅力。早い段階で、レギュラーツアーに上がるであろう選手で、今後の躍進が楽しみになる。先日、引退を表明した宮里藍のように、心技の伴ったプロを目指してほしいものだ。まずは、ステップ・アップ・ツアーでの初優勝が目標になるだろう。


文・コヤマカズヒロ/雑誌・WEB媒体にゴルフ記事を執筆。大手ゴルフショップチェーンの立ち上げに参画した経験を持ち、ゴルフギアに関しては性能面はもちろん製造・流通まで幅広い知識がある異色のライター。国内外のツアー情報にも精通するが、現在はステップ・アップ・ツアーに要注目。ネクストヒロイン候補をプレースタイルやギア面から発掘することをライフワークとする"ステマニア"。

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