今季限りでの引退を発表した宮里藍が29日(月)、都内ホテルで記者会見を行った。2003年に高校3年でツアー初優勝を飾って藍ちゃんフィーバーを巻き起こした、近年女子ゴルフの第一人者。プロ転向以降、女子ゴルフ人気を先頭に立ってけん引してきた。日本ツアー15勝を挙げ、2006年から本格参戦した米ツアーでは通算9勝を挙げた。一時はドライバーに苦しむなどどん底も経験したが、2010年には世界ランク1位にも輝く金字塔を打ち立てた。

総数500枚以上!藍の歴史を特選フォトギャラリーでプレーバック
300人を超える報道陣を前に、白い服に身を包んで登場した宮里は「お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。この2日間、思っているよりもたくさんの方から反響がありまして。驚いているのが現状。昨年の夏ごろに今年いっぱいで現役を引退する決意を固めました」と冒頭のあいさつ。時折水を飲み、少し緊張した様子も見せながら、約45分にわたって質問に答えた。

最後は「本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございました。約15年間プロとしてプレーしてきて、本当にたくさんのかたにサポートしてもらえたことは嬉しかったし、幸せでした。これだけ引き際の寂しさはなく、感謝の気持ちをもってプレーできることを幸せだったと思います。支えてくれた家族、友人、先輩後輩、ファンのかた、ここにいる方々本当にありがとうございました。残りのシーズンもよろしくお願いいたします」と語りながら、涙ぐんだ。


【以下会見の一問一答】
モチベーションの維持が難しくなったのが一番の決め手。そう感じたのが4、5年前。自分の中でもどうしていいのか手探りで進むしかない。メンタルコーチに相談して色んな選手にそういう時期あるから頑張ればいいと。チームもまとまって、モチベーションを戻せるように頑張ろうとしてきたけど、トレーニングでも自分を追い込むことができなくなってしまっていた。望んでいる形ではなかった。求めている理想の姿ではなかったのでこういう形になりました。

思わぬ形で世界ナンバー1になれたのも大きかった。まだまだこれから頑張りたいので、メジャー優勝もまだあきらめてないですが、今年いっぱいと期限を設けたことで。今は最後勝って終わりたいという気持ちで逆にモチベーションになっている。

休養としなかった理由。もどってくることは?
今はそれはない。第一線で結果を残していくためにはすごいエネルギーが必要。私がとても感じている。そんなに甘い世界ではない。限界を感じてしまったうえでの今回の決断なので。100%ないと今は思ってるが、この何日間、自分にできる可能性を他にも考えてる。4歳からはじめて20年以上ゴルフを通じてたくさんのかたにお世話になった。今度は私が恩返しできたらいい。

自分としてはこれ以上ないゴルフ人生だった。競技者として終えるという寂しさよりも、これだけ多くの人にサポートしてもらった感謝を胸に今季戦えることは胸いっぱい。今噛みしめているところです。

仲間からは
お疲れ様、寂しいと声をかけていただいて。率直に私の先輩後輩、友人、家族も今回の決断を支持してくれた。とても嬉しかったですね。

両親には
エビアンを終えて二人には話した。驚きもなく温かく受け入れてくれた。自分が幸せだと思う道を行きなさいと言ってくれた。兄二人も同じように受け入れてくれた。嬉しかったですね。

今後はまだ決めてないのが現状です。1試合1試合丁寧にプレーして早く勝ちたい。最後の試合はこれ、と決めていない。アメリカに戻ってメジャーは全部出たい。エビアンまでは出ます。

日本でのプレーは?
できるだけできるチャンスがあればプレーしたい。サントリーレディスが今のところが一区切り。でエビアンまで戦ってそれからどうかなと言ったところです。

引退後
具体的には決まっていないのが現状。そこのはざまでもなやんだ。次にどうしたいのか、という確約がないと引退できないと思っていて。でも現役の視点を外れないと自分の可能性が見られない部分もある。年内は試合に全力を注いで。、それからゆっくり考えたいと思う。

結婚
今のところはないですね(笑)

子供には
こういう環境なのでまったくゴルフをさせないということはない。遊ぶという感じであればやらせてあげたい。

若手に伝えたいこと
数少ないチャンスではあったけど、一回りくらい違う選手と何度も回る機会があって。今はゴルフが上手い選手多い。フィジカル的にも技術的にも。私もそこから刺激を受けた。今はすごい良い状況。危機感もある。これが永遠に続くわけではない。若い子たちはプロ意識を持って感謝の気持ちでやって欲しい。できていると思いますが、年を経ると難しい部分もありますから

父からはプロゴルファーである前に普通の人でありなさいと言われてきた。それが良い形になっているのであれば父の教えが良かったのかな。

ゴルフとは
人生において大切なもの。内容の濃い時間を過ごしたし、たくさんの人に出会えた。ゴルフには感謝の気持ちでいっぱいです。

一番思い出に残っている試合、ショット
アマチュアで勝ったミヤギテレビ杯ダンロップレディスはターニングポイント。あの試合がなければ今の自分ない。アメリカではエビアンマスターズでの初優勝。4年かかってたどり着いた優勝でしたし、プレーオフの18番のティショットはドライバーのスランプを乗り越えた瞬間。良く覚えています。

世界で活躍できた要因
自分自身と向き合えたことじゃないかなと。アメリカでは小柄な方。パワーもないし。そこをショットの精度と小技、メンタルトレーニングも加わって戦った。そこがゴルフのいいところ。体格差があっても勝てる。これからも色々な選手ができるんじゃないかな、と思っています。

引退
誰にも話していなかったので、自分で決めたこと。逆に発表してからロレーナからメール来た。これから彼女の意見を参考にすることが多いんじゃないかな。

東京五輪
今は考えられない。残りの試合に全力を注ぎたいから、先のことは頭にない。ただ何か私にできることがあるならば積極的にやらせていただきたい。

引退後の拠点
まだ決まっていない。決めていないという言い方もできる。決断するにあたり、物事を先に決めることが自分を苦しくしてしまうと思った。やり抜いた先にあるものを大事にしたい。終わってみて感覚を信じていきたい。

今の実感
こんなに大きな反響をいただけると想像していなかった。緊張しています。これだけ多くのかたが集まっていただいて嬉しい。感謝の気持ちで胸いっぱい。寂しさよりも。

米ツアーの選手も直接連絡をくれたり。色々考えた末にこのタイミングになった。シーズン初めに発表しても良かったが、一試合でも多く自然体でやって優勝につながってくれたらと思っていた。日本の試合も少ないので、一試合でも多くたくさんの方が見に来てくれたらと思ったのでこのタイミングになった。

まだまだやれるという悩みは?
戦い続けるという意味においては今の自分では足りない。痛感している。プロとして結果を残し続けるのは難しい。今は期間限定。これがきっかけでずっと続くものではないと思う。それでも今年いっぱい感謝の気持ちでモチベーションを高められたのは嬉しいです。

モチベーションが上がらない理由
2012年の後半、その年は2勝していてゴルファーとしてピークを迎えていた。それなのにメジャータイトルを取れていない。こんなに調子が良い時にメジャーで勝てなかったら次はどうしたらいいんだろうと立ち止まってしまって。そこで悩んでしまった。

後輩に伝えていかなければいけないこと
色々な挑戦があると思うが、アメリカは移動が多くてコンディションも目まぐるしく変わる。色んな引き出しを作るのに時間かかった。そこでどれだけ忍耐強くできるか。私もそこで戸惑って。武器だったものがそれで戦えなくなってしまう瞬間がある。でも場所は関係ない。私の場合は自分に向き合うのが趣味に近かったというか、追及していく方が好きだった。それがうまく行ったんじゃないかな

父へ
両親共々たくさん支えていただいた。コーチとしてもたくさん喧嘩した。素直じゃない私と最後の方は上手く歩み寄ってできた。たくさんの思い出を共有できたんじゃないかな。感謝の気持ちしかない。ありがとうございます。

自分と向き合えなくなった、具体的に
2012年の全てのメジャーを終えたとき。メンタルコーチとその時に話したのがカナダの試合。そこで初めて自分の中で次何を目標にしたらいいのか分からないと話した。メンタルコーチも焦らなくていいんじゃないか、どの選手にも起こり得ること。一度模索したら?とアドバイスをもらった。私はモチベーションがなくなったからやめるというわけではなかった。その最中にパターもイップスみたいになってしまって。ただそれがモチベーションになって、乗り越えてやろうと思えた。それが今年優勝と言うかたちにつながればいいかなと。
今の方が手ごたえを感じている感覚がある。取り組んでいることが結んでいる感覚ある。ただゴルフは調子が良いから成績につながるものではない。ただ中ブリでは思い描いていたものが出せたのはある。優勝から遠ざかって、勝っていたイメージも薄くなっている。そのあたりもカギかなと。

座右の銘
意志あるところに道はある。これからも大事になる

プロとして強く上で戦えるような選手になりたいとジュニア時代からやってきた。それがかたちになってこういうキャリアになった。それは今季が終わるまで続きますし、終わったら休みながら次の意思を固めていけたら。

横峯さくら
去年の10月くらいに話した。そんなに驚いてなかった。みなさまが良く知ってる通りの横峯さくらのリアクションだった(笑)私としてはそれが嬉しかった。いつか来るタイミングが今だったんだね、と。

ロレーナ・オチョア
ロレーナの引退に関してはとても衝撃だった。彼女こそ突然の引退だったと思う。引き際までかっこよかったなと。世界ナンバーワンでこれからも戦える選手だった。メキシコを代表する選手で影響は少なくなかったと思う。でも自分の気持ちを大事にして、そこはシンプルだった。潔かった。アニカもそうだったけど引き際は人それぞれ色々あったんだなと。今回の引退については特に影響はなかった。自分の人生なので自分で決めるしか無かったですし。

引退のきっかけ
オリンピックで3週間くらいツアーが休みになった時期。プロになっての初めての長期休み。自分の気持ちについてゆっくり考える時間があったというか。ずっとモヤモヤがあったが試合はこなしていかないといけないので。試合になればそこにエネルギーを使う。その3週間で自分の中で整理をつけられたと思う。

憧れた選手がアメリカでやっていくうえで必要なこと
難しいですね。選手によって変わってくると思いますが、私でいうと自分のプレーの確立。たくさんあった。飛距離に惑わされることなく、自分のベストのゴルフはどこにあるのか。人と比べないこと。自分のゴルフがしっかりすればどこでも戦える。苦しい時も自分から逃げないのが大事になってくると思う。

<ゴルフ情報ALBA.Net>