今週紹介する選手は、石山千晶。すでにレギュラーツアーで活躍している川岸史果や永井花奈と同じ、昨年のプロテスト合格組だ。まだ、プロとしての知名度は高くないが、小学6年生の時に出場したドラコン大会で、なんと292ヤードの記録をマークし、天才少女として話題となったエピソードを持つ、早熟の飛ばし屋女子なのだ。

【画像】石山千晶 フォトギャラリー
 中学3年生のとき、サンスポ女子アマで優勝し、翌年の『フジサンケイレディス』に出場。トーナメントの華やかな雰囲気を経験したことが、自身もプロを志すきっかけになったという。

 そんな中学生時代は、今よりもずっと体重があり、最高で88kgあったというから驚きだ。学生ゴルファーの常として、真夏でもバッグを担いでラウンドしていたところ、本人曰く「生命の危険を感じたため(笑)」、3年間かけてダイエットした。そんな黒歴史を明るく話して、笑いに変えてしまうのは持ち前の関西人気質だろうか。

 体重は随分落ちてしまったが、飛距離はジュニア時代と比べて落ちているわけではない。170cmの長身から繰り出すドライバーショットは、260ヤードを超える。レギュラーツアーでも十二分に活躍できる飛距離が彼女の持ち味だ。ドライバーのシャフトは、60g台のXフレックスと男子プロ並みで、アイアンにはスチールシャフトを装着する重量級のクラブセッティングだ。なんでも「プロになるには、このくらいのクラブを使いこなせなきゃダメだ」と父親に言われ、ジュニア時代からハードなクラブを愛用しているのだという。

 女子には珍しく、アイアンはパワーヒッターらしく4番から挿れている。ドライバーでアドバンテージを取り、アイアンショットでスコアを作るタイプだ。優勝した昨年のステップ・アップ・ツアー『ANA PRINCESS CUP』では、2日間60台をマークするように、バーディーを量産出来る爆発力がある。今季はまだ好ましい成績が残せていないが、少しかみ合ってくれば、ステップ・アップ・ツアーを盛り上げる存在になりそうだ。

 「人生の目標は?」という質問に「クラゲになりたい」との珍回答。「なんだか、あの姿が神々しいなと思うんです。プヨっとした丸みを帯びた質感とか(笑)」と力説する。なんでも、クラゲは成長しては分裂し、次々に生まれ変わるのだという。言われてみるとたしかに、クラゲも神秘的に見えてきた気もするが、ともあれ、周囲から求められる答えではなく、独自の感性で語れる資質は、プロスポーツ選手として得難い才能ではないだろうか。

 飛距離とショット力でポテンシャルは十分。明るく、ちょっと不思議な人柄で、これからの活躍いかんでは、ツアーの愛されキャラになりそうな選手だ。

文・コヤマカズヒロ/雑誌・WEB媒体にゴルフ記事を執筆。大手ゴルフショップチェーンの立ち上げに参画した経験を持ち、ゴルフギアに関しては性能面はもちろん製造・流通まで幅広い知識がある異色のライター。国内外のツアー情報にも精通するが、現在はステップ・アップ・ツアーに要注目。ネクストヒロイン候補をプレースタイルやギア面から発掘することをライフワークとする"ステマニア"。

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