パナソニックオープン最終日、長年持病の腰痛に苦しんできた45歳の久保谷健一にとって、思いもよらぬ“滑り込み”に成功した一日となった。5年シードが切れる最終年となる今季、この日7打伸ばしてプレーオフに滑り込み、ベテラン対決となる宮本勝昌とのプレーオフを思いもよらぬ相手のミスで勝利を手にした。そこには、ベテランらしく使い慣れた“相棒”の存在があった。

 アキラプロダクツと長年契約する久保谷だが、それ以前はキャロウェイと契約していた。そして、2001年1月発売の『スティールヘッド+』を15年以上愛用している。シャフトはアルディラライトツアーでどうしても手放せないという。(画像は東建ホームメイト撮影時で、撮影のためにスペアが入っている)

「たぶんこのクラブで2億円くらい稼いでいるんじゃないかな。このシャフトじゃなきゃダメ。たぶん他のシャフトに替えても違うと思う。ドライバーは4、5回壊れているけどこのフェアウェイウッドだけは壊れない。このクラブが打てている時は、他のクラブもそこそこ打てているし、バロメーターにもなってますね」(久保谷)

 久保谷はドライバーを壊すほどのハードヒッターなわけではなく、ツアーで最も練習量が多いといわれる練習の虫だからこそ、ギアの経年劣化が激しいのだ。そして、この男の練習量で数万発引っ叩かれても壊れないのは、低重心かつ低スピンな“名器”と呼ばれる『スティールヘッド+』。このクラブだけは久保谷にとって替えが効かないのだとか。

 契約するアキラプロダクツのツアー担当にも久保谷の好みを聞いてみると、このような答えが帰ってきた。

「特に顔の美しさにこだわりますし、ウッドは世代的に伝統的なパーシモンのような顔が好きですね。あとは、本人が打った時の球の高さがOKであればいいという感じです。腰のことがあったので、昔よりも練習量も減らしていますし、多少体に優しくということで、アイアンシャフトがXからSに、ドライバーも10度から10.5度にロフトを増やしています。

練習でゴルフを積み上げていくタイプの久保谷さんは、鋭いスイング感覚を磨いているため、バロメーターであるスプーンを抜く提案は彼のゴルフのために中々出来ません。また、ウェッジもバロメーターになっているようで、中々替えてくれません。普通のプロなら溝のフレッシュさを保ってスピンをかけるため、3試合で新しいウェッジに替えてもらいます。

ところが、久保谷さんは一度顔が気に入ったら、溝が減ってスピンがかからなくなっても替えてくれないんですね。練習量が多いから他の選手よりもはるかに溝やソールが減るスピードが早いのに……。それでも、本人独特の鋭い感覚で“スピンが入らないけど、コロがしていくから大丈夫”と、技で何とかしちゃいます。こだわりがブレないのでこちらも試されるプロだと言えますね」

【久保谷健一のクラブセッティング(WITB=Whats in the Bag)】
1W:アキラプロダクツ H510ドライバー プロトタイプ
(10.5度/ツアーAD PT/7X/44.75インチ)
3W:キャロウェイ スティールヘッド+(13度)
5W:アキラプロダクツ TV-317 プロトタイプ(17度)
UT:アキラプロダクツ IX-H21 プロトタイプ(21度)
4I〜PW:アキラプロダクツ KS601アイアン プロトタイプ
A,SW:アキラプロダクツ H552,H558(52,58度)
PT:オデッセイ ホワイトホットRX♯1
BALL:タイトリスト プロV1X(2017)

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