男子ツアーの国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」は最終日を首位から出た中国のリャン・ウェンチョンが藤本佳則らの猛追を振りきり優勝。日本ツアー2勝目を挙げた。昨季から日本ゴルフツアー機構のコースセッティング・アドバイザーを務める田島創志はリャンの「対応力」がこの試合を制する原動力になったという。

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春先の試合では仕方のないことなのだが、「裸地が多くてアプローチが寄せづらいところがあった状況は多々みられました」と田島。その難易度の高いグリーン周りをリャンは「グリーンの外からパター使ったりとか、特に印象的だったのは3日目の18番、8番アイアンでコロがして寄せていました」とウェッジ以外のクラブを駆使して寄せていた。

これは長年アジアを転戦し、様々な状況下で戦ってきたからこその“引き出し”。「スイングはかなり個性的ですが、ボールコントロールはしっかりしています。そして良いポイントはライが良くなかったときのバリエーションが圧倒的に多かった。アプローチのザックリやトップは、この時期ならプロでも起こりえます。ライが悪いですし、強く打ちすぎると上手くいかないから緩みがちになる。アプローチは年齢を重ねれば重ねるほど難しくなる側面もあるです。それを圧倒的な経験値でサラっと乗越えたリャンさんの対応力には脱帽です」。

パッティングでは順手とクロスハンドを併用。「14番のバーディパットは順手、15番のバーディパットはクロスハンド。フックとスライスで変えているのかもしれませんが、準備しているからこそできること」。フィーリングが悪いとき、ライが悪いときにどう打つのか。その対応力が東建という大舞台を制するカギとなった。リャンの他にベテランの藤田寛之や手嶋多一が上にいたのも、田島は「様々な状況に対応できたから」だと話していた。

日本の若手には「アジアンツアーなど、外に目を向けたほうがいい」と田島はいう。「芝も変われば何もかも違う。バミューダもあればティフトンもあって、粘つくよくわからない芝があれば、太いキクユ草みたいのもあるんです。そういう中でショートゲームを覚えていいくと、対応力が磨かれる」、引き出しの数を増やすには違う環境下で技を磨くことが重要なのだ。

藤本も8位に入った今平周吾も「技術はある。上手いと思う」と田島。藤本は17番パー5、今平は16番パー3でアプローチを寄せきれず「もったいない部分があった。もっとキレイなショット、ゴルフだけでなく泥臭さも持って欲しいですよね」。もっとプレーに粘りを、美しくなくとも相手にプレッシャーを与えられるようなプレーができなければ、海外を転戦しているような百戦錬磨の選手たちに勝つのは難しいのかもしれない。「青木さんが今会長ですし、もっとコロがしとかも(笑)」、意識したほうがいいのかもしれない。

初日に首位に立った20歳の新鋭・星野陸也も「初日がショットが良くてロケットスタート切ったけど、2日目からはショットが曲がりだして上手くコントロールができなかったようですね。それもプレーのバリエーションが足りないから。彼は頭がいいからこれから自分で何とかするでしょうが」。星野も日本アジアの共催試合で2戦連続トップ10に入った力はある。もう一皮剥けるには、やはり“引き出し”の数を増やすことが重要だ。


解説・田島創志/1976年9月25日生まれ。ツアー通算1勝。2000年にプロ転向し、03年『久光製薬KBCオーガスタ』で初日から首位を守り、完全優勝。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制では、トーナメント管理委員会 コースセッティング・アドバイザーを務める

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