歴史に残る名勝負にまた水が差される可能性があった。米国男子メジャー「マスターズ」はセルヒオ・ガルシア(スペイン)とジャスティン・ローズ(イングランド)がプレーオフを行い、ガルシアが悲願の初メジャー制覇を成し遂げた。スペインの英雄、亡きセベ・バレステロスの誕生日に手にしたグリーンジャケットは世界中のゴルフファンの感動を呼んだ。

悲劇…レクシー・トンプソン、罰打のシーンを検証
しかし、その優勝争いの中でガルシアにペナルティではないかという指摘が持ち上がっていた。ガルシアが13番パー5で、ティショットを左サイドの林に入れてアンプレヤブルとした場面。松葉が敷き詰められたライの上にドロップした後、ガルシアがボールの周りの松葉を取り除いた際わずかに動いたように見える映像が、中継局のCBSによって流された。

これに視聴者も反応して、ソーシャルメディアなどでも多くシェアされた。競技委員もガルシアもその場で確認はしていなかったため、大会側は優勝争いが進行する中で検証を行うこととなった。ガルシアはそのホールをパーとして終盤の逆転に望みをつないでいた。結果無罰と判定されたが、仮にペナルティとなれば、ガルシアの歓喜は幻と消えていた可能性もあった。

前週の女子メジャー「ANAインスピレーション」では悲劇が生まれていた。首位を走っていたレクシー・トンプソン(米国)のマークしなおしたボール位置が違うとして、テレビ放送を見た視聴者から指摘が入りオフィシャルは検証を行った。結果、1日たった最終日の12番を終えたところで、誤所からのプレーによる2罰打と過少申告による2罰打を合わせた4罰打が課され、トンプソンは優勝を逃した。

近年はテレビ中継の進化により、視聴者らからの指摘でペナルティが課されるケースが増加している。もちろん故意にやった場合は許されるはずもないが、行きすぎた視聴者による監視のようにもなってしまっている現状に、タイガー・ウッズ(米国)らも「視聴者は審判ではない」と語るなど、物議をかもしている。

何度も言うが、故意の不正は許されるはずもない。だが、誰もが酔った上質な戦いをプレーに影響を与えるとも思えない誤差で台無しにされるのは、あまりにももったいない。今回の議論を“無罰”と即断したマスターズの決定は、多くのゴルフファンの夢と感動を守る“英断”だった。

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