いよいよ、マスターズが開幕する。今年は2週前のマッチプレー選手権で谷原秀人がオーガスタへの切符を掴み取ったため、日本人選手は3名になった。

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谷原はラストチャンスで突然、滑り込んだラッキーボーイのように見えるかもしれないが、彼自身は世界ランキングを50位以内に上げてマスターズ出場権を手に入れるため、「試合出場スケジュールとか、いろいろ考えて計画的にやってきた」。

アジアと欧州の共催大会やメキシコ選手権にも挑んだが、なかなかランクアップできず、最後の望みとなったのがマッチプレー選手権。その1試合で強豪選手たちを打ち破り、世界ランキングを一気に上げることは至難の業と思われたが、世界60位で臨んだ谷原は見事ベスト4入りを果たし、世界48位でマスターズ出場を確定させた。

2005年に米ツアーに挑んだものの、成績は振るわず、シーズン半ばで帰国した谷原は、それでも世界への挑戦を諦めず、翌年は全英オープンで5位、2007年にはマスターズに特別招待で初出場。しかし、91位で予選落ち。技術不足を思い知らされ、「悔しいっす」と唇を噛んだ。

今年のマスターズは10年ぶり2度目の出場となる。ティショットの精度を上げ、得意の小技にも一層磨きをかけた成熟ゴルフでオーガスタに再挑戦する谷原は「10年前と自分がどう変わったかを見てみたい」と目を輝かせている。

そんな谷原のマスターズ出場決定のニュースの陰に隠れてしまっている感がなきにしもあらずだが、谷原を抑えて日本の昨季賞金王に輝いた池田勇太も、以前とは異なる新生・池田勇太だ。

池田が大きく変わったのは2015年12月の誕生日からだそうだ。「30歳になって、これからは自分のために時間を費やそうと決めた。今までとは違うことにトライしようと決めて、いろいろやってきた。その積み重ねが今、こうして海外に来れるようになっている」。

昨年は6年ぶりに全米オープンに出場。全英オープン、全米プロ、リオ五輪にも出場した。久しぶりに、そして続けざまに吸い込んだ世界の空気は確実に池田のゴルフの細胞を活性化させている。今年のメキシコ選手権、マッチプレー選手権では尻上がりに調子を上げていた。ショットの安定度は日に日に高まり、自信も膨らませていた。マッチプレー選手権後、そのまま米国に留まって調整を続けてきた池田がオーガスタで最高潮を迎えてくれることを期待したい。

さて、気になるのは、松山英樹の動向だ。松山がオーガスタに立つのは、はや6度目になるが、世界4位で臨む今年はこれまでで最も優勝に近づいて見える。日本オープン優勝に始まった昨秋からの5戦4勝の快進撃。フェニックス・オープンを制し、米ツアー通算4勝目を挙げた実力者。昨年のマスターズで優勝争いに絡み、「チャンスはあった」と悔しがった貴重な経験を生かせば、今年こそ松山がグリーンジャケットを羽織るのではないかと思えてくる。

だが、フェニックス・オープン優勝後は不調続きとなり、ついにショットの好感触が戻らないまま、マスターズ前の全試合を終える流れになった。「1週間あって良かった」「なんとかする」。その言葉通り、なんとかして不調の流れを変えることができるのか。それとも不調のまま終わるのか。可能性は二つに一つ。「なんとかしてくれる」ことを祈っている。

文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)

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