国内女子ツアー第4戦「アクサレディス」は、2年連続賞金女王イ・ボミ(韓国)の3年4か月ぶりの予選落ちというトピックスもある中、最終日は大混戦をホールインワンと安定したゴルフで抜け出した若林舞衣子が逆転でツアー通算3勝目を挙げた。最終日にホールインワンを達成して優勝するという劇的な展開ばかりに注目が集まるが、「勝負を分けたのはパッティング」と語るのは上田桃子らを指導するツアープロコーチの辻村明志氏だ。

■神パットの秘密はパターのライ角にあり
若林は3日間の平均パットが26.67。最終日は全体2位となる26パットにおさめた安定感が光った。ツアーでも屈指のパットの名手として知られる若林だが、辻村氏は「一番大事なポイントである、まっすぐ構えてまっすぐ打つということができている」と分析する。ストロークの面では「ショットもそうですが、テークバックが2としたらフォロースルーが3というイメージ。すこし加速しながらインパクトを迎えるのでボールの伸びもいいし、タッチも合う」と語った。

そのストロークを実現するのが若林の使用するパター。「若林さんのパターはライ角が72度という女子の選手では一番と言っていいほどアップライトになっている。アップライトに構えるからフェースローテーションが抑えられるし、まっすぐ構えてまっすぐ送り出すという動きができる」。さらに今季から使用するパター用カーボンシャフトも若林にマッチする。パター用カーボンは「実際軽くは感じると思うけど、その分ヘッドが効いてボールの伸びが良くなる(辻村氏)」。若林自身もその効果は実感しており、「タッチが合うし、ボールが伸びてくれる。最終日も(距離感)バッチリでした!」と笑顔だった。

これが若林舞衣子のライ角72度パター カーボンシャフトも特徴
■明暗分けるパッティング
若林の神パットの一方で、グリーン上での苦戦がそのまま結果に結びついたのが最終組の面々。柏原明日架は6番で3パットのダブルボギーを叩くなど、最終日は“31”パット。川岸良兼の娘で開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」で優勝を争った川岸史果も安定したショットを武器に再三チャンスを作るも決めきれず“30”パットで3位タイ。同じく“30”パットを打った全美貞(韓国)も3位に甘んじており、パットイズマネーという格言をそのまま体現する最終日となった。

■感じた若手の可能性
今回はパット巧者の若林が勢いある選手を抑える形となったが、最終組を回った柏原、川岸、2位に入った森田遥など若手達のポテンシャルも十分に感じた大会だった。開幕戦に続き2度目の最終日最終組となった川岸については「ショットについては下を向いている時間の長さが本当に長い。長いから体のうねりがあって強い球が打てる」とパフォーマンスに注目。柏原は「最終日に勝つには前半のダブルボギーとバックナインの2つのボギーがやはりいただけない。でも、上がりホールは完全に攻めのゾーンに入っていた」とハマった時の爆発力に目をみはった。

森田は3日間トータルの平均パットが若林らに次ぐ数字をマークした。最終日も外せば優勝争いから脱落する17番の約2メートルのパーパットを沈めるなど強さを見せた。ショットは万全ではなく2日目は半分に当たる9ホールでパーオンを逃し1バーディに終わったが、ノーボギーを貫き小技に魅力を出した。辻村氏も「オールラウンドプレイヤー。ステディなプレーをしますし、注目の選手です」と今後の活躍に目を光らせる。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、濱美咲らを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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