3戦目が終わった今年の国内女子ツアー。今季の活躍が期待される選手のスイングを、ここまでのプレーを踏まえてツアープロコーチの辻村明志氏に解説してもらった。

軸足修正で“キレ”ゲット!柏原明日架のスイングを連続写真でチェック
第10回目は初優勝の期待高まる若手・柏原明日架。辻村氏が「特に良くなっている選手の1人。状態はかなり良い」と賛辞を惜しまない新鋭のスイングとは。

「柏原さんは去年の前半は成績が良かった。それが後半、自分のスイングができなくなっていたように見えました。左ひざが目標方向に流れて割れていました。そのためクラブは寝て、切り返した直後から手だけで振ってるように見えていました。また左ひざが流れるため、軸が傾きフィニッシュで左足に乗れてなかったのです」。本人もその欠点を自覚しており、シーズン終盤から修正に取り組んでいる姿を見ていたという。

「左足のすぐ左側にシャフトを立てて、スイング時に左ひざが流れてそのシャフトに当たらないように意識して打つ練習をずっと行っていました。2つの欠点を鑑みたときに、左足の動きを修正すればもう1つも改善すると考えたのでしょう。その通りです。左足がしっかりと壁になれば、クラブも立って降りてきますからね」。

今年はその練習で行ったことがしっかりと体に身についた。「オフの間しっかりと修正してきたなと言うのが率直な意見。昨年まで止まっていた下半身も今年はしっかりと使いきれてるのでスイングにキレがあります。スイングが良くなったことでヘッドスピードが去年比で2m/sは伸びたように思います。飛距離もかなり伸びています」。開幕戦ではイ・ボミ(韓国)、上田桃子ら実力者をオーバードライブし、今季から導入されたドライビングディスタンスでは堂々3位にランクイン。取り組んできたことは数字としてさっそく表れている。

また、辻村氏は柏原のラウンド中の姿勢も高評価。「プレー中の雰囲気を作るのが上手いですよね。堂々としていますし、目つきが良い。自信がない選手はどうしても下を向きがちで背筋が丸まってしまいます。彼女のまっすぐな視線には“やってやるぞ”という覚悟を感じます」。

それだけに期待値は非常に高い。「パターも上手いですからね。安定して上位に来て欲しいというレベルではなく、日本人として抜けて欲しいという期待があります。前半、後半で1勝ずつという目標を掲げているそうですが、このままいけば達成できる可能性は高いと思います」。課題は2つ。「飛距離が伸びた分、コースの見え方が去年とは違うでしょうから、そこに早くアジャストして欲しいですね。あとは今のスイングを1年維持できるかどうか。それができれば去年以上の成績を出すと思いますよ」。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、濱美咲らを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

<ゴルフ情報ALBA.Net>