「ダイキンオーキッドレディス」で始まった今年の国内女子ツアー。今季の活躍が期待される選手のスイングを、ツアープロコーチの辻村明志氏にどこよりも早く解説してもらった。

【連続写真】よりシンプルになった佐伯のスイングがこれ!
第9回目は昨年、右手関節炎及びCM関節炎から1年ぶりにツアーに復帰してシードを獲得した佐伯三貴。今シーズン、2013年以来となる8勝目を目指すベテランのスイングとは。

「佐伯さんは凄く器用な選手です」と辻村氏。それ故の問題も…。「練習場で“ハイボールを打って”って言われれば、普通に打てるでしょうし、ドローもフェードも打ち分けられる。ですが、その“球をあれこれ操れる器用さ”が仇となる事もありました。打てる球が多いのはもちろん得ですが、頭の中の整理整頓は、引き出しが増えれば増えるほど難しくなっていきます。ショットは練習場で打てても、試合では同じように打てないことも出てきます。色々できるが故に混乱したり、迷いが出てしまう時がありました」

それを踏まえて、「佐伯さんの復活のカギはシンプルな考え方と素直なスイングと思っていた」という。そしてダイキンで佐伯が見せたスイングは思惑通りのものとなっていた。「小細工の無いすごく“素直”なスイングになっていたので、驚きと共に期待が膨らみました。器用さを封じて、自然体のスイングをしているから、ボールも正直に素直な回転でほぼ真っ直ぐに飛んでいます。

インパクトの前での詰まりもなくなりました。前はスイング中にクッとクイックになる動きがあり、トップも浅早でしたが、今では力みが全くなくなりしっかりと深いトップが作れています。角がないワンピースのスイングとなり、飛距離が出ている。状態は非常に良いと思います。今のスイングなら(怪我をした)手首にも負担が少ないですね」

ショットが良くなっているだけに辻村氏のトーンも高い。「彼女はアプローチのバリエーションも群を抜いて豊富です。道具の入れ方、立ち方、持ち方、動かし方が自在に出来る。はっきりセンスがあると言えます。パターも上手いですしね。そこにショットの仕上がりですから、今年は何度も優勝争いに絡んでくるのではないでしょうか」


解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、濱美咲らを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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