「ダイキンオーキッドレディス」から幕を明けた国内女子ツアー。今季の活躍が期待される選手のスイングを、ツアープロコーチの辻村明志氏にどこよりも早く解説してもらった。

もっと飛ばしたい人必見!川岸のスイング連続写真
8人目の選手は、ダイキンで優勝争いに絡み惜しくも勝ち星は逃したが全国のゴルフファンに鮮烈な印象を残した川岸史果。父の良兼はツアー通算6勝、“怪物”とまで呼ばれた日本ゴルフ史上屈指の飛ばし屋。その血を引き継ぐ川岸のスイングは辻村氏曰く、「豪快で飛ばしの要素が満載」だという。

「肩幅より少し広い安定感のあるアドレス。そしてテークバックは腕の三角形を崩さず、体の捻転でしっかり上げれています。一番注目してほしいのはトップ。背中が正面から全部見えるぐらい捻じれています。通常の選手の肩の入りが90〜100°ぐらいですが、彼女は120°ぐらいは捻じれています。体の硬い人は勢いであげてしまうことが多いのですが、 これだけゆっくりと深く捻り上げられるのは彼女の柔軟性と鍛錬の賜物でしょう」。パワーが溜まったトップオブスイング、それだけでも川岸が270ヤードを飛ばせる理由の一端が分かるようだ。

「そしてダウンスイングで右ヒジが左ヒジよしも下に絞れています。これはお父上と同じ飛ばし屋と呼ばれる人たちに共通の動きなんです。このタメをしっかりほどかずにダウンスイングができているのが素晴らしい。深い捻転、グッと絞ってタメておろす、そして右足の蹴り込みを体の左側がしっかり受け止め、頭の位置はビハインドザボール。インパクトでは右腕は伸びきらず、フォローで一気に伸びている」、これら一連の動きが爆発的な飛距離を生み出しているのだ。

また、川岸のスイングからは「左に絶対にいかせたくない」という意思が感じ取れるのも特徴。「フェースを始動から右つま先まで動かす際に開きながら引いています。フェースは絶対シャットに使わない、“フックボールは打たないぞ”という気持ちの現れでしょうね」。飛ばし屋だけに、曲がったときの幅は大きくなる。それを回避しようという動きのようだ。

「アイアンではボールの下にヘッドを入れて大きなターフをとっています。これだけダウンブローで打てるのも女子プロでは珍しい。球は強く、そして止まります。あれだけ風の強かったダイキンで結果を残せたのもうなずけますね」。ドライバーの飛距離だけでなく、アイアンでも強い球が打てるのが川岸の強さの要因だ。

開幕戦で一躍全国のゴルフファンに名を売った川岸。豪快なゴルフでポテンシャルもまだまだ秘めている。今季の女子ツアーは“怪物の娘”が盛り上げてくれそうだ。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、濱美咲らを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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