「ダイキンオーキッドレディス」で始まった今年の国内女子ツアー。今季の活躍が期待される選手のスイングを、ツアープロコーチの辻村明志氏にどこよりも早く解説してもらった。

【連続写真】若き大砲は“コンパクト”に!?スイングに苦しむアマチュア必見!
第7回目は2年ぶりの優勝を目指す飛ばし屋・渡邉彩香。昨年苦しんだ若き大砲のスイングはどう変わって見えたのか。

昨年の不調について「去年は苦しんだ渡邉選手ですが、スイングで言うと特にタイミングが悪かった」と辻村氏は分析。「オーバースイングが悪いというわけじゃないですが、渡邉さんは振り上げる感じがあって、体がねじり終わってるのにヘッドが動いていました。その結果、トップで“体の静”と“クラブの静”が合わないため安定した間合いがとれてませんでした。加えてヘッドが“上から外から”かぶって入り、出球が大きく左に出て安定していませんでした」。

それが今年はがらりと変わっていたという。「スイングがすごく“コンパクト”になっていました。手の余計な動きを無くして体の捻転が大きくなっていましたね。その結果、トップにおいて体と道具の決まりがピタっと同時になり、タイミングがすごく良くなりました。トップが決まれば後は振り下ろすだけ。トップは仮想インパクトともいえます。そこでしっかり合えばインパクトまでにやることが少なくなります」。

「さらにトップで余分な腕の余りがなくなったことで、“上から内から”おりてきてます。手打ちが少なくなりインパクトゾーンが昨年より“レベル”に近づいてましたので 出球のラインが安定していました。加えてテークバックでは、手首のコック始動だった昨年と違い、今年はコックの動きをおさえてます。こうしたところも、手を使わずに体を使ってスイングできている要因の1つだと思います」。

ここで注意点が1つ。「アマチュアの人に勘違いして欲しくないのは、“コンパクト”と聞くとアマチュアは手を小さくしようとして体が捻れなくなりがち。そうではなく手元の動きを減らして、捻転を大きくすることが“コンパクト”です。身体のコルクと道具の動きというのが一体でないとタイミングは合いません。はき違えないようにしてください」。

あとは去年までとの球筋の違いとのアジャストだという。「去年まではスライスのような球が出るときがありましたが、今はボールに無駄なスピンが無くなって、ねじれの少ないストレートヒッターになっています。その武器でどうマネジメントしていくか。確実に状態は良いと思うので、その辺りがカギになってくると思います。ダイキンでは予選は落ちましたが、まったく問題ないと思っています。間違いなく良くなっていますから」。去年と違う持ち球を活かせるようになってくれば、女王争いも見えてくる。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、濱美咲らを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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