アン・ソンジュ(韓国)の優勝で幕を閉じた「ダイキンオーキッドレディス」。初勝利を狙った大城さつき、川岸史果の前には賞金女王3度戴冠の実力者が立ちはだかった。1年を占う今季初戦の戦いを、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が振り返る。

【関連写真】ボミ、明日架も多数!開幕戦を1,000枚超の写真で振り返る!
■トップ5全員が最終日にオーバーパー 原因は風
最終的にトップ5に入った選手全員がオーバーパーを叩いた最終日。イ・ボミや李知姫といった歴戦の実力者もスコアを落としていった。琉球ゴルフ倶楽部らしい高麗芝と沖縄特有の風が勝負の分かれ目を分けたと辻村氏。

「決して簡単ではないコースですが、特に最終日に多くの選手がスコアを崩した原因は風向きです。これまでの3日間とは異なる風が吹いたことで混乱が生じました。例えば最終日の16番ではほとんどの選手が右に外してました。これは前日まで右からの風だったのが、この日のみ左からの風となったからです。マネジメントのしずらさは相当なものだったと思います」

加えてグリーンはちょっとでも弱く出れば芝目に負ける高麗芝。「アン選手が1mを外すほどの高難易度です。自分の狙った通りの球がでても外れるのが高麗ぐりーんです。そして一回外して迷いが出れば、どんどん高麗の罠にハマっていってしまう。そこに初優勝を狙った2人も例に漏れず苦労していたように見えましたね」

対して難グリーンに強さを見せたのがアンだった。「彼女は17番で1mのパーパットを外れて首位に追いつかれたにも関わらず、そのことを次のホールまで引きずらなかった。自分を信じて疑わなかった。だから、18番で6mのウイニングパットを自分のストロークで決めることができたのです。スイングも良くなっていましたし、体調面も良さそうです。今年はかなり活躍すると思いますよ!」。今年は『体調も良いので、ボギーを叩いても笑顔を絶やさずゴルフを楽しむこと』をテーマに取り組んでいるアン。4度目の賞金女王へ最高のスタートを切った。

■アンの壁に阻まれた2人 それでも今季への期待は見えた
惜しくもプロ初優勝を逃した大城、川岸。真の実力が問われる4日間大会で共に一時はトップに立つなど奮闘を見せたの2人。辻村氏にはどう映ったか。

「大城選手はルーキーのころから見ていて、良い選手だと思っていました。ボールも飛んでいましたから。ですが、色々やっていくうちにだんだん迷いが出て深みへと嵌っていったように見えます。それが2年前から本格的にトレーニングを始めてから、体が変わったのはもちろん、ゴルフに対する向き合い方もそれまで以上に真剣になったように感じました。取り組み方や覚悟、行動が変わったのです。その結果、今はこれまでで一番良いスイングをしていますし、結果を出すことができた。好成績は、沖縄出身でコースや気候を知っていたからというだけではありません。確かなものがあります」

一方の川岸は練習姿勢を評価。「飛距離の出る豪快なスイングが特徴です。とはいえ練習場でも豪快に振り回しているかというとそうではなく、一たびコースを出てドライビングレンジに行けば、腰から腰までのスイングでターゲットを捉える練習を繰り返しています。ただ振り回しているのではなく、しっかりと精度も意識して工夫を凝らしているように見えました。取り組み方が良いですね。今週1,000万円以上稼いだわけですから、シードはかなり見えてきています。あとはどれだけ優勝争いをできるか。期待は膨らみます」


解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、濱美咲らを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

<ゴルフ情報ALBA.Net>