2020年東京オリンピックのゴルフ競技会場問題が揺れている。気候や選手村からの距離など多くの点が指摘されているが、特に問題視されているのが会場に決定している霞ヶ関カンツリー倶楽部(以下霞ヶ関CC)では女性が正会員になれない(家族会員、週日会員などは可)という規則に対してである。

女性問題「改めるチャンス」小池知事も言及
JGA(日本ゴルフ協会)によれば、霞ヶ関CCは「正規の手続きを行い、正式にIGF(国際ゴルフ連盟)及びIOC(国際オリンピック委員会)に承認された」としている。ところがそのIOCは、1月に組織委員会に対し、いかなる種類の差別も認めないオリンピック憲章(※下部参照)に照らして、会場である霞ヶ関CCに正式に女性正会員への開放する旨を要請してきている。

霞ヶ関CCにとってみれば、腑に落ちない話ではある。依頼を受けて会場を提供することを了解し、その現状を明らかにしてIOCに承認され、会場となる霞ヶ関CC東コースの改修は、他から支援金を一切もらうことなく会員負担の自己資金で16億円かけて昨年10月に終了しているからだ。そんな渦中の霞ヶ関CCの会員は、今回の会場問題をどう思っているのであろうか。実際に会員に話を聞いた。


男性会員A
「オリンピックに会場を提供することは良いが、倶楽部組織運営についてはオリンピックに関係のないこと。あくまでも会場を提供するだけなので、倶楽部の伝統は守っていくべきである」

男性会員B
「一度霞ヶ関CCの現状でIOCが承認しておきながら、後になって女性正会員を認めることを要望してくるのはおかしいのではないか。なぜ、そのようになったか明確にしてほしい」

男性会員C
「あくまでもクラブ組織なので、クラブ定款について、外部からどうこう言われる筋合いではない。クラブ自身が今後どうするか検討していくべきである。オリンピックに会場を提供することは賛成であるが」

男性会員D
「マスターズの開かれるオーガスタナショナルGCや英国のR&Aも女性に門戸を開放しているように、クラブとしても女性正会員を認めてもよいのでは。ただ、IOCから言われて変えるのではなく、クラブ自らが検討して決めることである」

女性会員の意見はこうだ。
女性会員A
「今のクラブライフで女性差別を感じたことはなく、楽しくプレーできている。正会員になれる道筋ができるとすれば嬉しいが、なるかどうかはその時に考えます。オリンピックがこの倶楽部で開催されることは素晴らしいこと」

女性会員B
「女性は家族会員、週日会員だけであることがわかったうえで入ったので、特に問題は感じていません。女性の場合、日曜日に家の事などやることが多いので今のままでも良いと思っています。女性でも正会員になれることは良いことと思います」


JGAによれば「霞ヶ関CCは現在212名の女性会員が在籍し、女性会員に対する待遇や権利、あるいは施設利用について、女性会員からのクレームはない」とのこと。さらに、「年間営業日のうち、その9割以上にあたる日が女性のプレー可能な日であり、来場者数約65,000人のうち、約27,000人がゲスト、そして9,000人を超える女性がプレーしている。また、倶楽部運営のための各委員会にも女性が参画している」と続けた。

小池百合子都知事らが女性会員問題に触れたことで、クローズアップされている五輪ゴルフ会場だが、その中にいる会員たちは冷静にこの問題を見つめている。女性会員については現在IGF、組織委員会、JGAと霞ヶ関CCで対応を検討しているというが、結論は出ていない。東京オリンピック成功と日本のゴルフ発展と歴史を創るための最高のかたちとなるように願うばかりである。

※オリンピック憲章一文
「このオリンピック憲章の定める権利および自由は人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、 国あるいは社会のルーツ、 財産、 出自やその他の身分などの理由による、 いかなる種類の差別も受けることなく、 確実に享受されなければならない」

<ゴルフ情報ALBA.Net>