昨季国内女子ツアーで活躍した注目選手の強さの要因を語る“Playback LPGATour2016”。第7回目は国内メジャー「日本女子オープン」で2位、日米共催競技「TOTOジャパンクラシック」で日本人唯一のトップ10に入った堀琴音をフォーカス。惜しくも優勝には届かなかったが、大舞台で強さを見せた20歳のスイングをツアープロコーチの辻村明志氏に解説してもらった。

【連続写真】トップの“間”で飛距離と精度を両立!堀琴音の連続写真(10枚)
 堀のスイングで特徴的なのは、クラブを大きく振り上げた高いトップ。ここに堀が細身でも飛ばせる秘密があると辻村氏は話す。「高いトップを作ることで、重力を最大限に利用することができます。クラブを“下ろす”のではなく、クラブと腕の重さを使って“落とす”イメージですね。ダウンスイングでスムーズにヘッドが加速するので、効率よくボールを飛ばせるのです」

 また、辻村氏が注目するのはトップの“間”。ルーキーイヤーとなった15年に比べて大きく向上した点だと強調する。「以前の堀プロは、切り返しのテンポが速く、打ち急ぐ傾向がありました。これだと、クラブが外から下りるので、ヘッドは走りません。しかし、16年は切り返しで腕を脱力させることで、トップの“間”を作れるようになりました。これによってダウンスイングの軌道が安定し、飛距離と精度を両立することができたのです」

 このようなスイングの技術的な裏付けがあるから、堀はアグレッシブにピンを狙っていける。「堀プロはジュニアの頃から、攻撃的なゴルフをする選手でした。ピン位置が左右に振られていても、果敢にチャレンジする。だからこそ、ショットの精度を追求し、完成度の高いスイングを身につけられたのです。メジャーや米ツアーなど厳しいセッティングの中でこそ、堀プロの強みが出てくると思います」。プレッシャーのかかる場面でも、ゆったりしたテンポで安定したショットを繰り出せるからこそ、大舞台で結果を残せているのだ。

 「パーオン率8位という成績が実証するように、ショットのレベルはツアーでも上位。来季飛躍するための課題は平均パット数46位に終わったパッティングになるでしょう」と辻村氏。チャンスをものにするパッティング技術を身につければ、悲願の初優勝、そして、年間複数回優勝も見えてくる。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、濱美咲らを指導。上田の出場全試合に帯同し、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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