今季国内女子ツアーで活躍した注目選手の強さの要因を探る“Playback LPGATour2016”。第6回目は今季『富士通レディース』でツアー初勝利を挙げた松森彩夏をフォーカス。初のツアーフル参戦となった2015年から今年にかけて予選落ちが激減し、優勝を手にすることができた要因をツアープロコーチの辻村明志氏に解説してもらった。

【連続写真】松森彩夏、目を瞑ってプレーできるほどのスイングバランス(11枚)
 まず昨年から良くなった点は3つ。一つ目はパッティングストロークの安定。信頼するパターを手にできたことに加えて、自分に合ったストロークを見つけたことだ。「松森さんは非常に腕が長く、ストローク中に長い腕が邪魔になり、パンチが入るクセがありました。安定したタッチが出せずに悩んでいる時期もありましたが、腕を短くアドレスし両腕の長さを維持して肩や背中といった大きな筋肉とパターヘッドが連動するイメージを調子のバロメータとして定めることができました。ストロークの再現性が非常に高まりましたね。ショートゲーム(アプローチ、パター)では腕の長さを変えない事は大切。手打ちをしてると腕の伸び、縮みでミスをしてるアマチュアの方が多いので参考になると思います」と、悩んだときも立ち返れる基準を手にしたことは大きな発見だったという。

 2つ目は、バランスのいいスイングに磨きをかけたこと。辻村氏が注目する松森のスイングの特徴は「まったく打ち急ぐことなく、目を瞑ってプレーできるほどのスイングバランス」。アドレスでは体を使ってクラブヘッドを軽く持ち上げ、テークバックのスタートに入るが「ヘッドを軽く持ち上げた際に右側に重心移動を始めているため、テークバークのスタート時はアドレスよりも低い位置からヘッドが上がっていきます」との部分が手先でクラブを上げていない"良い証拠の一つ"だという。

 「松森さんは練習開始時に、必ず左右の片手打ちを行っています。両手の役割を把握したうえで、左腕の使い方、右腕の使い方を体で覚え込ませ、左右の腕を一体にしたときに喧嘩し合うことなく、道具の重さをつねに感じながら、ゆったり・大きく・バランスの良いスイングができるような意識を作り上げていましたね」

 最後は肉体面。開幕時には前年から体重を5kgアップさせたことで弾質が重くなったが、辻村氏はさらにトレーニングを積めば“綺麗なスイング”から“安定したスイング”に変わっていくと期待を込める。「もう二回り体を大きくし、悪いコンディションでもっと実力が出せるプレーヤーになってほしい。体が軽いとボールが軽くなるのも必然で、悪いコンデションほど体重の乗った強いボールが求められると思う。体重を上げることで体の重心がもっともっと地面に寄るので安定感は増します」

 松森自身が語る今オフの目標は"さらに5kg増で体重60kgにすること"。課題ははっきりと自覚しているだけに、2017年はさらに安定感を増し、成長した姿を見ることができるかもしれない。

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