2016年12月27日。南国・沖縄県で恒例の年末合宿を打ち上げた石川遼は、2017年を見すえて「悪いところが見当たらない」と淡々と語った。

松山英樹と黄金タッグ!ワールドカップハイライト&インタビュー
「もちろん課題はあるけど、なんか1つでも不安がある状況ではない。その中で技術を向上させるように練習してやっていくだけですね。何かに不安ある状況だと、カットラインで毎週やらされるのがPGAツアーだと思う。今の状態でアメリカに行ったらどうなるか楽しみですね」。

振り返れば2015年から16年にかけては石川のプロゴルフ人生の中で、最も苦しんだ期間と言えるかもしれない。15年シーズンは最後の最後までシード権を得る125位というポジションを争った。最終戦でギリギリで滑り込んだのは124位。シード圏外となった選手とは小数点以下の僅差だった。

だが、薄氷のシード獲得から迎えた2015-16シーズンは、2月の「ウェイストマネジメント・フェニックスオープン」終了後に腰痛により離脱。PGAツアーへの復帰は思うように進まず、PGAツアーでの戦いは公傷制度※により10月の新シーズン2戦目「CIMBクラシック」までズレ込んだ。

それでも、復帰後は日本ツアー「RIZAP KBCオーガスタ」で優勝を飾り、PGAツアー復帰戦でも10位に食い込むなどリハビリを経て結果を残した。そこで、冒頭の言葉である。

その裏付けとして復帰戦「CIMBクラシック」での好フィニッシュがある。2015年には第5のメジャーとも言われるビッグトーナメント「ザ・プレーヤーズ選手権」で5位タイに入るなどしたが、「実際あの時はこれ以上無理だっていうスコアで9位だった。でもマレーシアではショットで何打損したんだという感じで、もっと上いけたというのがあった。同じトップ10でも感触が全然違う」。

米ツアーで戦う内に自分の強みも認識しつつある。飛距離を追い求める姿勢は変わらないものの、今はショートゲームに光を見いだしている。「アプローチとパッティングでどこまで他の選手よりスコアを少なく抑えるか。ドライバーとか全部本当は大事なんですけど、やっぱり僕はパッティングで勝負していきたいと思う。強いところをもっと伸ばしてやっていきたい。それができればどこまでやれるかワクワク感はある」。100ヤード以内の精度。沖縄合宿でも重点的に取り組んだテーマが、そのまま米ツアーでの躍進のカギとなる。

2013年の米ツアー本格参戦から5年目。2007年のプロ転向からは10年目となる節目の年だ。「日本で5年、アメリカで5年目。もちろん、自分がプロになる前は毎年メジャーに出て、マスターズに出てというのが目標だった。今は上手くいかないなぁという状況で、満足はしてないけど、でも、アメリカでやれているのは幸せ。PGAツアーに出場している時点でワクワクするし、イチ選手として立ちたい舞台だから」。大きなケガを乗り越えた今、その言葉には実感がこもる。

「なんのためにやってるかといったら勝つためにやっている。それを見失わずに常に優勝するために何をやるべきかってのを考えて毎日行動したい。日本の試合で何がワクワクするかというと、やっぱり優勝争い。自分が1位とか2位を争っている中でボールを打つのが一番楽しい。そのためにゴルフやってると思う。それをアメリカでできるように。アメリカでどこの試合でても優勝目指して。PGAツアーで優勝して帰ってきたい」。

石川遼、10年目の戦いは1月19日(木)から22日(日)までカリフォルニア州で行われる「キャリアビルダーチャレンジ」でスタートする。

※公傷制度とは:ケガや病気による長期の欠場を出場試合で保証するツアーの制度。石川は復帰戦となった10月の2016-17シーズン「CIMBクラシック」から19試合に出場することができる。その中で昨季のシード獲得ラインとなるFedExカップポイントランキング125位相当(454pt)を超えればシード選手として、以降もシーズンを戦うことができる。

<ゴルフ情報ALBA.Net>