史上まれに見る激戦の末、大逆転で第45代米国大統領に選出されたドナルド・トランプ氏(70歳)。驚きが世界中を駆け巡る中、トランプ氏はゴルフとも関わりが深いからこそ今後が気になるところ。果たしてゴルフ界にとって、トランプ大統領誕生はグッドニュースなのだろうか?

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 自他共に認めるゴルフ好きのトランプ氏。その腕前は“アベレージゴルファー”だが、現在、世界中に16クラブ(22コース)を所有している。さすが不動産王だが、そこでメジャー大会やツアー競技が開催されるから話はややこしい。

 トランプ氏がゴルフ場買収に乗り出したのは1999年。フロリダ州ウエストパームビーチに最初のコースを購入したが、折しも米国は好景気に沸き出したころで追い風に乗った。ニューヨーク周辺でも高級ゴルフコースを次々に購入し、2013年には世界ゴルフ選手権の「WGC-キャデラック選手権」を開催するフロリダ州の人気リゾート、ドラールGCを手に入れ、さらに2014年にはスコットランドの名門・ターンベリーGCを買収と、その勢力を海外へと広げてきた。

 問題なのはトランプ氏が選挙戦中、度重なる“過激発言”を行ったことだ。メキシコ移民への差別発言に始まり女性蔑視、黒人などへの人種差別などを繰り返した。

 世界のゴルフツアーには「差別のあるところでは競技を行わない」という規約がある。昨年、ターンベリーGCで開催された「全英リコー女子オープン」はトランプ氏の発言が開催直前だったため、「コースを変更するには時間がなさ過ぎる」と大会を続行。しかし、「発言を容認するものではない」と、米LPGAツアーのマイク・ワン会長はトランプ氏をけん制した。また、米PGAツアーは「WGC-キャデラック選手権」を2017年からドラールGCではなくメキシコシティでの開催へ変更。このように米ツアーは男女ともにトランプ氏と距離を置いてきた経緯がある。

 一方でUSGA(全米ゴルフ協会)とPGA・オブ・アメリカは動かなかった。2017年5月には「全米シニアプロ選手権」がワシントンDCのトランプナショナルGCで、同じく7月には「全米女子オープン」がニュージャージー州のトランプナショナルGCベッドミンスターでそれぞれ開催される。これに対して一部の市民運動家から「コース変更の要請」が叫ばれてきたものの、「差別的な問題はないコース。トランプ氏の発言とは関係ない」と変更しない方針を示してきたから、今後も同コースでの大会は続行されるだろう。

 選手たちの反応もさまざまだ。

 トランプ氏支持のジャック・ニクラウス(米国)は、すぐさまツイッターでお祝いのメッセージ。ジョン・デーリー(米国)も「祝・僕の最高の友人が大統領」とツイートした。そして、トランプ氏は積極的に女子ゴルフを支えてきたことから、ナタリー・ガルビス、クリスティ・カー(共に米国)ら多くの女子プロたちも喜びのメッセージを発している。

 一方で男子ツアーのアーロン・オーバーホルザー(米国)は、「ばかげたことが起こった!」と驚きの声をツイート。メキシコ移民の女子プロ、リゼット・サラス(米国)はもっと強烈で、「米国最大の悲劇の日は9月11日、そして2番目は11月9日だ」と非難した。

 ちなみに米国大統領はゴルフ好きが多い。ドワイト・D・アイゼンハワーに始まりジョン・F・ケネディ、リチャード・ニクソン、ジェラルド・R・フォード、ロナルド・レーガン、そして今回敗れたヒラリーの夫、ビル・クリントンもPGAツアーとの関わりは深いし、バラク・オバマ現大統領も大のゴルフ好きだ。

 まだ決まったばかりで興奮が冷めない米国だが、国民が選んだ新しい大統領とどう向き合っていくのか。米ツアーのゴルフ界への対応が注目される。

【ドナルド・トランプ氏所有のゴルフ場】
トランプインターナショナルGCウエストパームビーチ
トランプナショナルGCウエストチェスター
トランプナショナルGCベッドミンスター(2コース)
トランプナショナルGCロサンゼルス(パブリック)
トランプナショナルGCコルツネック
トランプナショナルGC DC(2コース)
トランプナショナルGCハドソンバレー
トランプナショナルGCフィラデルフィア
トランプインターナショナルGLスコットランド
トランプナショナルGCシャーロット
トランプナショナルGCジュピター
トランプナショナルドラルGCマイアミ(4コース)
トランプインターナショナルGLアイルランド
トランプターンベリーリゾート(2コース、スコットランド)
トランプGLフェリーポイント
トランプインターナショナルGCドバイ

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