<TOTOジャパンクラシック 事前情報◇2日◇太平洋クラブ美野里コース(6,646ヤード・パー72)>

気温10度を切る寒さの中、日没が近づきボランティアスタッフが片づけを始めた練習場に1人のプロゴルファーの影があった。今大会前身の「ミズノクラシック」を2007年、2011年と2度の制覇。日米共催で海外から強豪選手が出場する今大会の44回を数える歴史で8人しかいない日本人チャンピオンで唯一2度の勝利を挙げている上田桃子は、大会開幕2日前も出場選手中ただ一人、球を打ち続けていた。

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練習場がクローズになった後も上田のスイングへの追及は終わらない。クラブハウスへ引き上げる道すがらコーチの辻村明志(はるゆき)氏をつかまえて、日没も気にせずスイング理論に没頭。クラブハウスに戻ってからも、別移動で引き上げようとする辻村コーチを「まだ解決していないから」と引き留めてまたさらに数十分話し込んだ。

上田は今季「ヨネックスレディス」で2位に入るもその他は思うように成績を出せずに苦しむ日々。「日本女子オープン」からは3試合連続予選落ちも喫した。「マスターズGCレディース」で16位タイに入って「ずっと調子が上がってきていた」と手ごたえをつかみかけた矢先に体調不良によりダウン。前週の「樋口久子 三菱電機レディス」には何とか間に合ったものの、つかみかけた手ごたえは消えていた。

「ずっと寝込んでたので、思うようなトレーニングが出来なくて、わたしは重心低くして下半身で打っていくバランスなんですが、ちょっと上(半身)が入りやすくなってきててバランスがまだおかしい」。暗くなるまで続けたスイングの調整は、上下のバランスのすり合わせが大きな課題の一つ。「ちょっとずつパターも良くなってきてるので、だからこそ平均点くらい出せれば戦えるのになと」。現状がただただ口惜しい。

特別な思いを持つ今大会前という状況も、上田を突き動かすもののひとつだ。コースこそ違うが日米共催の大一番は上田を一躍有名にした戦い。アルバトロスを奪ってタイトルをもぎ取った07年大会、復活タイトルとなった11年大会はいずれも忘れることのできない勝ち星だ。いずれも海外勢がフィールドにそろう中での快挙。「チャレンジがすごく求められる大会。リディア(コ)、アリヤ(ジュタヌガーン)と回るチャンスもあるし、回った中で勝負したい」と国際色強い戦いに闘志を燃やすのは今も昔も変わらない。

それだけに、ショットの状態を少しでも仕上げたい。「守ったゴルフじゃなく、チャレンジできる状態まで持っていきたい。やっぱりここで得たものは大きかったので。だからこそ自分の状態を上げていきたい」。現状の自己評価は40点。残された1日で少しでも理想に近づくために、暗闇の練習場に上田の声が響く。「よし、帰って素振りしよう!」

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