7月11日付の世界ランキングにより決定されるリオ五輪の代表選手。海外男子メジャー第3戦「全英オープン」は決定後初のビッグトーナメントとあって、五輪の話題も多くのヘッドラインを飾った。

厳しい表情で五輪への思いを語るジョーダン・スピース
スピースの苦悩

 大きな注目を集めたのがここまで出場への態度を保留してきたジョーダン・スピース(米国)だった。スピースは月曜に正式に米国代表辞退を表明。翌日の公式会見では「健康面の懸念。それが僕の理由だ。僕の22年の人 生の中で最も難しい決断だった。これが正直な気持ちだ。どこの大学に行くかとかよりも断然難しかった。学校を辞めてプロになろうかという決断よりも、ね。本当に苦しんだ」と決断までの苦悩を語った。

 決断を下しても気持ちが晴れるものでもない。「開会式を見るのは辛いだろうし、同僚たちが金メダルやほかのメダルを獲得する姿を見るのも辛いことになる。ステージに立って国歌を聞く姿もそうだ。2009年から楽しみにしてきたことだし、今回(その姿を)観戦するのは、本当に、本当に難しい」。だが最後は「2020年の東京五輪は僕の目標の一つになる。特別なゴールだ」と4年後の夏への意欲を見せた。

マキロイの思い

 すでに出場辞退を表明していた世界ランク4位のローリー・マキロイ(北アイルランド)には、「ゴルフというスポーツにとって、あなたの決断は非常に残念な行動だとは思わないか?」という厳しい質問も飛んだ。

 これに対しマキロイは「このスポーツの認知度を上げようとしてゴルフを始めたわけではない。メジャーに勝ちたいから、ゴルフを始めたんだ。だけど今はそういう立場になって、責任も背負うようになっている。それは分かるけど、自分が勝つためにゴルフを始めたわけで、ほかの人たちにゴルフをしてもらいたいから始めたのではない」と反論した。

 「色々な意見があるのは分かるし、それは尊重する。だけど、僕自身は自分の決断は正しいと思っているし、後悔もしていない。オリンピック観戦はするだろうけど、ゴルフがそこに入るかは分からない」。すでにマキロイはプロとしてのキャリアを見すえて気持ちを切り替えている。

マスターズ覇者の決断

 マスターズチャンピオンのダニー・ウィレットは熟考の末に、英国代表入りを決断した。「非常にタフな決断だったし、簡単な話ではなかった。だけど、オリンピックに出られるチャンスなんてそんなにない。ただ、ほかの人のリアクションを見るとちょっと自分の決断が正しいのか揺らぐこともある」。

 多くの選手と同様に決断に時間を要したが、「ゴルファーはいつも自分たちの小さな世界でプレーをしている。例えば(アンディ)マレーがどんなことをしているのか学ぶ機会もない。だけど出場してその学びを持ち帰ることができれば自分の力になると思う」とアスリートとしての成長が後押しした。

池田勇太の使命感

 日本勢は辞退した松山英樹、谷原秀人に代わって日本代表となる池田勇太が、気持ちを込めた。「懸念するところもあったけど、誰かが出ないといけないもの。他の人は関係ないし、僕はその使命感があった。国を代表することって、そういうことじゃないですか。4年後の東京五輪を見据えると、今年はとても大事になる」。リオだけでなく自国開催の2020につなげるためにも先頭に立ってゴルフ界の旗を振る。

 これまでにはない一種異様な全英オープンへのカウントダウン。それぞれのリオへの決断の答えはまもなく出るはずだ。

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