態度を保留してきた“最後の大物”がリオ五輪行きを断念した。国際ゴルフ連盟(IGF)は海外男子メジャー第3戦「全英オープン」会場で記者会見を行い、ジョーダン・スピース(米国)が8月に開催されるリオ五輪米国代表を辞退することを明かした。これにより世界ランク15位のマット・クーチャーに出場資格が繰り上がり、米国代表はバッバ・ワトソン、リッキー・ファウラー、パトリック・リード、クーチャーの4選手となった。

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 会見に出席したIGFのタイ・ボタウは会見前にスピースから電話で辞退の申し出があったことを明かし、「健康面で心配な点があると話しをした」とコメント。スピースは翌火曜日に公式記者会見が設定されており、そこで詳しくは語られることとなる。スピースの辞退により、112年ぶりに五輪競技に復帰するゴルフは世界ランクトップ4(ジェイソン・デイ、ダスティン・ジョンソン、ジョーダン・スピース、ローリー・マキロイ)が欠場してフィールドが確定した。

 IGF会長のピーター・ドーソンは「合計40か国の選手が五輪のゴルフに参加することなり、満足している。女子はトップ8が全員出場し、男子も15人中8人が出場する。フィールドは十分強い。最高の経験になるはずだ」と胸を張った。しかし、男子トップ選手を中心に多くの出場辞退者をだしたことには思わず表情をゆがめた。

 「男子では辞退者が続出して残念なのは確かだが、各個人のケースについて話をするのは避けたい。とりわけ、健康面を危惧して決めたことだから。だが全体的にいえるのは、辞退者の数を見ればゴルフというスポーツが非常にネガティブに映るのは確実だ。しかしそれが現実なのだから、受け入れるしかない」。

 すでに辞退を表明している松山英樹しかり、欠場に至った理由に十分な情報が提供されなかったという要素も大きかった。IGFは「我々は過去12〜18か月間、選手たちと対話を繰り返し、十分な情報をシェアしてきた。問題点についても話しをした」とこれを否定したが、大きな懸念点となったジカ熱については「選手だけでなくその家族にとっても大きな問題で、本当に心配をしているのだと思う」と理解を示した。

 メジャー大会という絶対的な権威を持つタイトルがあるゴルフには、他競技に比べて金メダルに価値を見いだすことができないとする声も多く、選手にとってはリスクを冒してまで出場する動機づけが難しかった。

 IGFのアントニー・スカンロン氏は「五輪で金メダルを取るまで(4年の間に)、男子はメジャータイトルを狙う機会が16度ある。女子でいえば20回。金メダルはそう簡単にめぐってくるものではない」と語ったが、残念ながら男子選手にとっては健康面のリスクを冒してまで欲しいタイトルではなかった。希少性だけではない“価値”をどうつけられるかが今後の大きな課題と言える。いずれにしても112年ぶりに五輪競技に復活するゴルフは、男女60名ずつの出場選手により開幕へのカウントダウンに入った。

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