全米オープンを制したばかりのダスティン・ジョンソンが今週はブリヂストン招待を制し、米ツアー通算11勝目、世界選手権シリーズ3勝目、そして出場2試合連続優勝を遂げた。

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「今週はドライバーショットが本当に良かった。ドライバーでフェアウェイを捉えている限り、僕を倒すのは難しい。(ドライバーで飛ばして)フェアウェイに行けば、次に握るのはほとんどがウエッジ。硬くて速いグリーンでは、それが有利だからね」

 僕を倒すのは難しい――すごい自信の表れだ。が、自信過剰だとは誰も思わない。難コースのオークモントとファイアストンを続けざまに制したのだし、その制し方がそっくりゆえに、これがジョンソン流の勝ち方なのだなとあらためて頷かされた。

 比類稀なる飛距離を生かすにも、ドライバーショットの精度が伴わなければ生かしようがない。ジョンソンは全米オープンでも今大会でも「僕にとって最高のドライビング」で誰よりも遠くへ飛ばし、次打は誰よりも短いクラブを握って硬く速いグリーンに迫っていった。そしてパットが決まれば「そんな僕を倒すのは難しいだろ?」。まさに、なるほどと頷ける勝ち方だった。

 全米オープンでは5番でボールが「動いた」のか、「動かした」のか、それに伴う一打罰を科すか、科さないかという判断が保留されたままジョンソンは72ホール目を迎えた。

 前代未聞のその状況がジョンソンのプレーを阻害したと見られていたが、ジョンソン自身は「(一打罰の可能性を告げられた12番以降は)リーダーボードを見ないことにしてプレーしていたから自分が何位で何打差かは18番まで知らなかった」。そして最終的には3打差で優勝したのだから「影響はなかった」と締めくくった。

 今大会の最終日は最終組でプレーしていたジェイソン・デイが16番で池につかまり、ダブルボギーを喫したが、そんなデイの動きも「18番のグリーン上でキャディから言われるまでは全然知らなかったけど、(デイがどうであれ)僕のそのホールのプレーの仕方は変わらないから(デイのダボも)関係なかった」

 あくまでも、どこまでも、我が道を行く。それがダスティン・ジョンソンの戦い方ということなのだろう。

 かつてはメジャー惜敗を繰り返し、悲劇の主人公のようなイメージがあったジョンソンだが、メジャー優勝、そしてWGC優勝という快進撃は、昨夏の全米プロを制して以来、次々に勝利を重ね、瞬く間に世界ナンバー1に上り詰めたジェイソン・デイのそれとよく似ている。成功体験にもとづく実績。その実績がもたらす自信。その自信が得られれば、負の連鎖を経ち切り、負を正に転換して正の連鎖を広げることができる。

 松山英樹にも同じことが当てはまるのかもしれない。メモリアルトーナメントと全米オープンで2試合連続予選落ちを喫し、今大会では2日目に79、3日目に73を叩いて「マイナス思考に入ってる」。

 だが、最終日は67をマーク。「4日間で1回でもアンダーが出て気持ちが楽になった。晴れやかな気持ちで全英に行ける」。

 注目されていたリオ五輪出場に関して、辞退する意志を思い切って発表した直後から、沈みがちだった表情までもがみるみる晴れやかになった。

 それとデイやジョンソンのメジャー優勝達成とは別の話ではあるが、どんなことも、まずアクションを起こし、得られた手ごたえや自信を糧に次のアクションへ。前進のパワーはそれしかない。

 そして、いつかそれが信じ難いほどの快進撃につながるだろうから――。

文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)

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