<マスターズ 3日目◇9日◇オーガスタナショナル・ゴルフクラブ(7,435ヤード・パー72)>

 確かに日本人男子初のメジャー制覇を視界にとらえた。海外男子メジャー「マスターズ」は第3ラウンドを行い、首位と3打差の5位タイからスタートした松山英樹は3バーディ・3ボギーの“72”で回りトータル1アンダーの3位タイに浮上。単独首位を守ったジョーダン・スピース(米国)がこの日1つスコアを落としたため、2打差で最終日を迎えることとなった。

松山英樹、メジャータイトルを視界に!フォトギャラリー
 トータル2アンダーで迎えたバックナインは、14番で一気に流れが動き出した。ピンまで169ヤードを8番アイアン。ラフにやや引っかかって、ボールはピン左8メートルについた。傾斜の上からのバーディパットはほぼ触るだけ。硬く締まったグリーン上で加速したボールは勢いよくカップに沈み、その反動に押されたかのように松山は両手を突き上げた。同時刻にスピースは11番でダブルボギー。一時的ではあったものの、マスターズで首位に並んだ瞬間だった。

 自然と周囲のパトロン達の歩みも速くなる。だが、歓喜のあとには我慢の時間が訪れる。15番パー5はグリーン奥カラーからイーグルトライを2メートルに寄せるも、返しを外してパー。16番ではピン左手前15メートルから1メートルショートして3パットのボギーとした。ここにきてプレッシャーがかかったか、終盤はグリップをタオルで拭く回数が増えた。続く17番はセカンドをグリーンに奥に外してボギー。スコアを伸ばせず18ホールを終えた。

 終盤に訪れた緊張感を、松山は認めた。「トップとの差での緊張ではなくて、(15番の)イーグルパットの難しさに緊張した。そこからパッティングで思ったようなストロークができなくなった」。マスターズでの優勝争いというプレッシャーではなく、あくまで自身のプレーに高いレベルを求めるがゆえのプレッシャー。それが強がりかは定かではないが、18番グリーンに立った時には進藤キャディと笑顔で会話を交わす姿も見られた。

 松山がホールアウト時点では首位とは4打差があった。その差については「大きいけれど、このコースではあってないようなもの。僕が初めて出たマスターズ(2011年)でもローリーがああなっているし(最終日に80)。もしそうならなくても(上が崩れなくても)自分が伸ばせばチャンスはある」。

 語っている間にスピースが18番をダブルボギーで上がり、その差は“2”に縮まった。それで松山の気持ちが変わるはずもない。だが、チャンスが大きく広がったことだけは確かだ。

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