昨年の国内女子ツアーの優勝者の活躍を振り返り、強さの要因を探る“Playback LPGATour2015”。第18回目は昨季「CAT Ladies」でツアー5勝目を挙げた服部真夕。毎年高いパーオン率をたたき出すショットメーカーのスイングの秘密とは…。

【解説】服部真夕、フェースローテーションを極力抑えたスイング連続写真(計10枚)
 プロ入り後5年間で4勝を挙げるなど順調に成長してきた服部だが、ここ数年ショットが今までにないぐらい曲がり、アプローチに悩むなど大スランプ期に突入。2015年も開幕2戦目から9戦連続予選落ちするなど前半戦は大苦戦を強いられた。

 だが、「悪い自分を認めないのは現実逃避。アプローチがダメでも勝てる。ショットでカバーすればいい」と前向きになれたこと、そしてパッティングの調子が上がってきたことでシーズン半ばから成績が上昇。8月の『NEC軽井沢72ゴルフトーナメント』で久々にベスト5に入ると、勢いそのままに翌週の『CAT Ladies』で3年ぶりとなる美酒に酔った。

 ツアープロコーチの辻村明志氏は「復活の一番の要因は、球筋をドローボールからフェードボールに変えたこと」と分析する。「以前のドローボールは、フェースローテーションを大きく使っていたため、ドローボール以上に曲がる大きなフックボールが出ることがありました。“振れば振るほどボールが左へ曲がる怖さ”からクラブを振れなくなっていたのだと思います。ですが、昨シーズン中盤から練習場でフェードボールに取り組む姿が見られた。フェースローテーションを極力抑え、腕をしっかりと振るスイングに変えたことが中盤からの好調の要因だと思います(辻村)」

 辻村氏は彼女の腕の振りの速さは“日本ツアーナンバー1”と評す。「速さに加え、腕のしなりの良さも兼ね備えている。トップからダウンスイングに入る切り返しで、腕にしなりを作り、フィニッシュまで最速で腕を振り抜く。力で腕が速くなるのではなく、力が入らないからこそスピードが速くなるんです(辻村)」。

 加えて「つねに芯でボールを捉え、球の回転が力強く、勝負強いパッティングを持っている(辻村)」というグリーン上の技術も復活優勝に奏功したと続ける。これは服部自身も強みと認識しており「パターが良いからショットで“寄せなきゃ!”とあまり思わなくなった。“とりあえずパターが打てるところに置けば良いかな”くらい」とリラックスしたショットを生み出すのに一役買っていると語っている。

 新たなスタイルを見つけ復調を果たした2015年。2016年は磨きをかけて前半戦から結果を残していきたいところだ。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチ、キャディとして上田桃子、濱美咲らを指導。今季は上田の出場全試合に帯同し、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。

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