毎年、12月のこの時期になると、「今年の10大ニュース」が、あちらこちらで発表される。その現象はゴルフ界でも、もちろん起こる。先日、米ゴルフチャンネル・ドットコムのサイト上で「今年、最も読まれた10大ニュース」が発表され、「10のうち5つがタイガー・ウッズ関連」という事実に驚かされた。

マスターズには元彼女と仲睦まじく登場したウッズだが…
 「どれどれ」と1つ1つに目を通してみると、2015年の1年間でアクセス数が多かったニュースゆえ、年末になったこの時期に読むと、正直なところ、もはや古すぎて人々の興味が薄れていると感じられるもののほうが多かった。さらに言えば、米国の人々の興味を引いたニュースゆえ、日本のゴルフファンにとっては、あまり興味が沸かないだろうと思われるものもあった。

 ともあれ、トップ10に入ったウッズ絡みのニュースを列挙してみると、栄えある1位に輝いていたのはNBAのビッグスター、チャールズ・バークレーが、2009年に勃発したウッズのあの不倫騒動以降、ウッズが連絡をくれなくなり、電話で話すことも会うこともなくなり、「僕たちの友情が終わってしまうのは残念、、、、、でも終わりだ」と発言したという今年1月のニュースだった。

 4位にランクインしたのは、世界選手権シリーズのブリヂストン招待にウッズが出られそうもないという見通しになった今夏、ジョーダン・スピースとジェイソン・デイが「タイガーはこの大会に何度も勝って貢献してきたのだから推薦扱いで出場してもらってほしい」と発言したという今年8月のニュース。

 5位は、元米ツアー選手で現在はゴルフ解説者のブランデル・シャンブリーが、クリス・コモとのスイング改造によって成績下降中のウッズを批判した話。6位は、ジェイソン・ダフナーの前妻アマンダとウッズの熱愛の噂を、ウッズのエージェントが否定したというニュース。そして8位は、ウッズの長年のキャディだったスティーブ・ウイリアムスがウッズ暴露本を出版したというニュース。

 この5つ、確かにどれもウッズ絡みではあるが、いずれもウッズに関する第3者の発言ばかり。ウッズ自身が起こしたアクションは1つも含まれていないところに、昨今のウッズのゴルファーとしての低迷ぶりが反映されている。だが、世界ランキングが400位を下回るまで成績が低迷しても、周囲が決して放っておかないという王者ウッズの存在の重要性は逆に浮き彫りになったと言えるだろう。

 それでは、ウッズ絡みではない他の5つのニュースはどんなものだったかを見てみよう。2位はダフナー夫妻の突然の離婚。3位はリッキー・ファウラーの彼女のビキニ写真をアップしたインスタグラムの炎上。7位はローリー・マキロイがキャデラック選手権でクラブを池に投げた出来事。9位はマキロイの熱愛報道。そして10位はジョーダン・スピースが今年3月に2.3ミリオンで購入した豪邸の話だった。

 ウッズ関連のニュースとは対照的に、他の5つはどれも登場する選手自身が起こしたアクションに関連するニュースだった。そして“登場人物”も、ダフナーこそ異色だが、スピース、マキロイ、ファウラーとヤングスター3人が揃っている。

 しかし、シーズン終盤に一度は世界一に輝いたジェイソン・デイに関するニュースは1つもなく、メジャー2勝を挙げて世界一に今も座しているスピースのニュースがたった1つだけで、しかも10位というところに一抹の不安を感じさせられる。

 成績が低迷し、不調に陥り、引退が近いと囁かれても、相変わらずウッズへの注目が高いこと自体は喜ばしいが、その一方で、下降線を辿るウッズが今なおゴルフ界の話題の半分を占め、成績面でトップクラスを走る若者たちの話題はちょろちょろというこの現状を、どう見るべきなのか?

 現状打開すべきだとすれば、さらなる努力が必要なのは、若い選手たち自身か、それともファンか、メディアか、ゴルフビジネスを展開する人々か。

 ウッズ頼みには限界がある。ウッズもいずれは引退する。そのときゴルフ界全体が困らないように。備えあれば憂いなし――。

文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)

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