<LPGA新人戦 加賀電子カップ 最終日◇10日◇グレートアイランド倶楽部(6,480ヤード・パー72)>

 今年のプロテスト合格者のみで競われる『LPGA新人戦 加賀電子カップ』最終日、篠原真里亜が“69”をマークしてトータル7アンダーで激戦を制した。

 プロテスト合格新入生のみが参加できる“一生に一度”の優勝チャンス。「優勝したい」と意気込んでスタートすると、前半3バーディ・ノーボギーとスコアを伸ばしてハーフターン。後半の出だし、10番ダブルボギー、11番ボギーと大きくつまづくも、12番13番で連続バーディを奪取。さらに1つ伸ばすと、その後もきっちりパーを並べて「周りを気にせず自分のアンダーをキープすることに集中した」と猛追する武尾咲希を振り切り、見事初のタイトルを手にした。

 キーとなったのはパッティングだ。ファイナルQTでは最終日“79”と叩き56位。それ以降は“パターに対する意識”を変えたという。「1試合で50センチを3回はずしていた」という程苦手だったグリーン上は、試合中も入るイメージが湧いてこなかった。そんな自分の中に根付く先入観を捨てるため、練習中から「パターは難しくない」と言い聞かせてパッティングと向き合ってきた。

 最終ホール、武尾咲希がバーディパット沈め1打差に迫られたが、パーパットをきっちりと沈めて逃げ切り優勝。「今までだったらはずしていた。自分の成長を感じることができた」と笑顔を見せた。

 幼い頃から日本舞踊を習っていたという篠原は所作が美しく、優勝インタビューでのお辞儀は思わず目が止まってしまうほど。日本舞踊歴は4才から12才とゴルフ歴よりも長い。そんな篠原がゴルフと運命の出会いを果たしたのが小学校5年生の冬。週5で通うほどゴルフ好きの祖母と一緒に訪れたバンコクで、何気なく打った球がいきなり230ヤード超え。その感覚が忘れられなくなった篠原はそのままゴルフを始め、中学でプロの道を志した。

 実家は「二匹の鬼」という旅館で篠原は長女。跡継ぎにと考えられていたが、プロを目指したいと伝えた篠原へ「好きなことをしなさい」と家族からの反対はなかった。忙しい家業を「手伝うのが好き」だというが、「祖母からは『練習しなさい』と怒られる(笑)」。旅館が有名になるためがんばれと母親から言われていると冗談まじりに言いながら、「それしかお母さんにできる恩返しはないから頑張りたい」と語る目は真剣だった。
 
 来年の抱負は、「活躍して『二匹の鬼』を有名にすること」。今回の優勝によって、来季開幕戦の出場権も手にいれた。初戦の切符を手にし、飛躍をとげたこの勢いを来季につなげることを誓う。


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