<カシオワールドオープン 最終日◇29日◇Kochi黒潮カントリークラブ(7,315ヤード・パー72)>

 「きれいなスイングだな〜」。黄重坤(ハン・ジュンゴン・韓国)のショットを眺めてるギャラリーから聞こえてくる声。『カシオワールドオープン』4日間通してショットの安定感が際立っていたが、首位の石川遼と1打差で迎えた最終日も正確なショットは確実にトーナメントリーダーに追い詰めていた。

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 12番での石川の“OB失策”により1打差になると、14番でバーディを奪い、同ホールでボギーとなった石川をついに逆転。17番での石川の起死回生のバーディ奪取で最終18番は同スコアで迎えるも、最も重要な18番パー5の273ヤードの2打目はこの日一番のスーパーショット。セッティングのなかでも最も信頼するという3番ウッドで「最初は強いかな〜と思ったけど、グリーン上は拍手が起こったから」と大歓声を引き出す1ピンのイーグルチャンスにつける。それを見事に沈め、12年以来2度目『カシオワールドオープン』優勝を勝ち取った。

 今季前半戦はつねに中位をうろうろし、4試合連続予選落ちなど不調に陥った。だがスポット参戦した母国・韓国のツアーで2位タイに入ったことなどで徐々に自信を取り戻し、契約メーカーの本間ゴルフの冠大会『HONMA TOURWORLD CUP AT TROPHIA GOLF』8位タイを皮切りに『日本オープン』4位タイ、『ダンロップフェニックス』4位タイと上位に絡み、優勝経験のあるこの大会に向けて、うまく調子が上がっていった。

 19歳の時に『〜全英への道〜ミズノオープン』で初優勝を挙げ、石川遼以来2人目となる10代優勝者(※73年ツアー制度施行後)である黄。美しいスイング、ショットの精度はツアー屈指だが、最終組で回った石川は自身と比べて「スイングが太い」と表現し、積み重ねてきたスイングの厚みを賞賛した。

 スイングに関してはしっかりとした基盤を持っている。「僕は気をつけていることは“タイミング”が一番です。バックスイングから切り返しで一旦“止まるイメージ”を持つ。そのほうが上半身の開きを抑えられるし、球筋も操れるので」。日本ツアーで戦う母国の先輩のなかで最も年長のI・J・ジャン(韓国)からも「リズムがいいと褒められました」と太鼓判を押してもらっている。前半戦はドライバーが不調も今大会で賞金王を決めた金庚泰(キム・キョンテ)から“真っ直ぐのイメージよりも自分のスタイルで打てば”とアドバイスを貰い、改めて自身のスイングスタイルを突き詰めたことが今大会の結果に繋がった。

 2勝目を挙げた同大会では日本語は話せなかったものの今大会は通訳なしでスピーチ。「韓国ツアーより選手が強い日本ツアーで優勝したい」という目標を3年ぶりに達成した韓国勢若手の“癒し系”は「もっともっと練習して、良いショット、パットが出来れば優勝できるし、賞金王にもなれると思う」と強みのショットを研磨し、日本ツアーでのさらなる飛躍を誓った。

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